教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

教育随想 951回 一学期 学習集団づくりの3段階

学級づくりは、仲良しになる学級集団ではない
学級づくりとは「学習集団づくり」
である。
現在、小学校でも一部専科の授業を実施している。
専科であっても、学習集団を基盤にして授業をする。
理科であれば、理科の指導を通して理科を追及する学習集団を育てる。


学級集団は仲良しこよしの集団をめざすのではない。
個人の学習能力を高めるための集団を育てる。
学習集団づくりが授業づくりの片輪である。


一学期の学習集団づくりの大まかな過程は
4月学級の基礎を固める(土地改良)
今までもお話したように、子供にとって学習しやすい環境づくりをめざす。(先生と子供 子供にとっての学習環境)
さらに、ぼくでもこの集団で頑張っていけそうだという希望を持たせる。


5月 個人の学習意欲の揺さぶり(播種期)
教材を媒体として、子供と先生がつながり、そのことが子供たちの学習意欲につながる基礎になる。
そのうえに、学習に対するそれぞれの子供の関心をおこしていく。
一人ひとりの子供たちの学習状況を把握して、そこから始められるような授業づくりを実践する。
指導者が極端に教材側に偏るのではなく、子供と教材の間を行き来できるようにする。
できれば、子供サイドに近い位置に立つ。


6月 学級・個人の相乗効果
個人学習と集団学習が相互に影響しあえるようにする。
その時に、集団の空気が問題になる。
能力の高い子が優先されたり、そうでない子が学習の片隅に追いやられたりすることがある。
学習能力ではなく学習意欲を平等に与えられる授業者をめざす。


どの子も学習意欲を膨らませていける学習集団づくりをめざす。
一部の子供の発言で学習が進行しないこと。
能力が低い子であっても周りの子供たちの助力が期待できること。
一人の子供が自分の力、考えを学習集団において発揮できる。


7月 学級の上昇機運の確認(本葉生育確認)
この時期になって初めて学級集団のなかから学習集団として本葉を出してくる。(瑞々しい若葉の成長)


これらのことを生徒指導、特別活動などで実践するのではなく、学習指導を核として子供たちを育てる。
学ぶ子供、学びあえる集団が自力で学習によって高めていく子を生み出す。


さらに一年間を見通すと
一学期は揺籃期 二学期は充実期 三月期は発展期である
専科の先生も専科の授業において教科追及のための学習集団を目指す。

×

非ログインユーザーとして返信する