教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

教育随想 944回 一の段階 一人ひとりの子どもの心を捉える

子どものことをじっくりと観察することが大切です。(以前にお話をしたように)
できるだけ客観的に子どもを把握します。
日々、子どもたちの振る舞いに注意します。


朝の挨拶の仕方 友達との会話の様子 授業前の椅子に座っての待ち方
ノートの取り方 聞き方 話し方 休憩時の様子 学習用具の準備の程度
服装の着こなし 言葉づかいなどもあります。


教育は、子どもの事実から出発します。
参考書から始まりません。
先入観なしで子どを見つめます。
これらは、0の段階です。


一の段階は、子どもの心を捉えることです
そのためには、5つのことを挙げてみます。
①一人ひとりの名前より先に顔を脳裏に刻み付ける
 朝、最初に出会ったときはどんな顔(表情)をしていたか。
 友達との交流時の顔。
 給食時の顔など場面に応じて把握する。
 まとめると、喜怒哀楽の表情の出し方なのです。
 4つの顔で一番強く出るのはどれかですか。


②一人ひとりの子と何気なく言葉を交わす。三学期終了まで継続。
 意図的ではだめです。
 先生と子どもではなく、人間と人間の自然な営みになるようにします。
 子どもにとっては、先生と言葉を交わすことはうれしいのです。
 先生を嫌っていても、自分の存在を先生は把握してくれている安心感
 「ありがとう」「おはよう」「ごめんね」「いいねえ」
 その他、日常会話ができるようにします。



一人ひとりの子の特質を学習、生活の中で把握する。
 その子だけが持っているもの、周囲に比べて際立っていること。
 趣味、特技も含めます。
④一人ひとりの子の父親、母親、祖父母、兄弟についての様相が
 思い浮かべられる。

 子どもは、家庭環境で育った歴史があります。
 その過程で、家族の影響を受けて育ちました。
 子どもの言動、振る舞いを通して、家族のだれの影響を受けているのか 
 なんとなく感じることができるようにします。
 これは、子どもの生育歴に心を配ります。


⑤一人ひとりの子と笑顔が交わせられるようになる。
 会話はできても笑顔がなければ子どもたちを捉えることはできません。
 人間、知らない人と会話する時、お互いに笑顔を交わすと親しみがわくものです。
 そのためには、まず、先生の笑顔が大切です。
 自分で鏡をみて、笑顔を見てください。
 どのような笑顔ができるか、どのような笑顔が相手に親しみを感じさせるか
 を試行錯誤します。


子どもたちは笑顔で語りかけられた時、安心と親しみがでます。
授業において同じです。
どの場面で笑顔で語りかけるといいかを考えます。(陰の指導案)


子どもにとって「先生と一年間やっていけそうだ」という期待感を持たせます。
その期待感が保護者に伝わります。
「お母さん、今年は、ぼく頑張れそうだよ」という声に変わります。

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