教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

教育随想 906回 3年国語「モチモチの木」4場面前半 2つのキーワード

作品の山場にさしかかる。
4場面を前半と後半に分けて指導する。
じさまの病気を見て医者様のもとに走る場面。
医者様をじさまのもとに案内してくる場面。


「豆太は見た」の場面を読み、夜道を一人で医者を呼びに行く豆太の様子や気持の変化を読みとる。


.指導にあたって
○核になる言葉は2つである。
   ①「医者様をよばなくっちゃ」
   ②「なきなき走った」

 この言葉をたたいていくことで、豆太の気持を読みとらせる。
前時に、子どもたちは、豆太に心を寄せている。
その思いを抱きながら、この場面を読み進めていくことになる。


指導展開
2つの課題で構成する。


課題1
豆太は、何を見て「医者様をよばなくっちゃ」と思ったのだろうか。
①豆太がみたものに線をひく。
②線をひいたところを発表する。
・うなり声をあげている じさま
・くまみたいに体を丸めてうなっている じさま
・ころりとたたみに転げる じさま
・ますます すごくうなる じさま


③上の中で、「医者様をよぱなくっちゃ」と思ったのは、どのじさまの様子だろうか。
※豆太が医者様が必要だと判断した根拠を考えさせる。
ほとんどの子どもは、「すごくうなるじさま」をあげるだろうと考えられるが否定できない。
しかし、豆太にとって、強いじさまが弱いと感じさせたのはどんな様子かを考えさせる。
  ➡「とびついた・・・ころりとたたみに転げる」
課題2
豆太は、どうして「なきなき走った」のだろうか。3つみつけなさい。
①一人で考える。
②全体で確認する。
   いたさ 寒さ こわさ
②それぞれについてくわしく読み取る。
どのようないたさかわかるところを見つける。
・はだし
・霜が足にかみついた➡様子をくわしく想像する。
・足からは血が出ていた


どのような寒さかわかるところを見つける。
・ねまきのまんま
➡ねまきのままで2kmも山の中を走ったという事実に気付かせる。
・半道もあるふもとの村


どのようなこわさか2つ考えなさい。
・真夜中に一人でよびにいくこわさ
・じさまが死ぬかもしれないというこわさ


※ここでは、こわさとやさしさが逆転していることに気づかせる。
じさまへのやさしさが臆病な豆太を乗り越えているということ。

×

非ログインユーザーとして返信する