教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

教育随想 904回  3年国語「モチモチの木」学習指導 中心になる文

ねらい
「やい、木ぃ」の場面を読み、豆太のモチモチの木に対する昼と夜の
気持ちの違いを読み取る。  
指導にあたって
 言葉をもとにして自分の考えをだせるようにする。
どの言葉からそれがわかるの。
「どの言葉からそう思ったの」というように問い返していくことで、言葉にこだわる感覚を身につけさせていく。


中心になる言葉、文
「やい、木ぃ、モチモチの木ぃ、実ぃ落とせぇ」
➡昼間のモチモチの木の下にたって・・・いばってさいそく
夜のモチモチの木
    ➡そっちを見ただけで・・・。
「でも、豆太は、そうしなくっちゃだめなんだ」
文を対比させることで、豆太の両面を深めることができる。


指導展開
モチモチの木を見る豆太の昼と夜の気持のちがいを読みとろう。
 ※子どもの気持ちから察すると、「おもしろい」「笑えるなあ」というところは
  どこかなという問いかけの方が子どもにより近づくことになる。


課題をつかむ
「モチモチの木を見る豆太の昼と夜の気持は同じですか。」
「ちがいますね。そのちがいを読みとりましょう。」
という発問ではなく、
豆太っておもしろい子だなあと思えるところはどこだろうか
という問いかけから入る。


豆太のおもしろさを見つけていけば、自然に昼夜の行動の違いが
見えてくる。
発問も子どもたちの実態に応じていく。
課題を持たせるとき、より子どもの心情に近づけるような問いかけにする。


豆太のおもしろさがわかるところを出し合って話し合う。
昼の豆太の様子を話し合う
➡「やい、木ぃ、実ぃ落とせぇ」
・えらそうにしている
・こわいものなし
➡豆太がつけた名前だ
・友だちのような木かな
なかがよいという感じ
➡木の下に立って
・こわくない
➡「片足で・・・足ぶみして、いばって」
・実をおとさせようとする豆太のたくましさ
・命令しているような感じ


夜の豆太の様子を話し合う
➡そっちを見ただけで・・・でなくなっちまう
□豆太にとって、モチモチの木はどのように見えるのかをもとにして話し合う。
※でも、豆太は、そうしなくっちゃだめなんだ」のときの豆太の気持を考える。
「みっともない」と豆太は思いながらも「そうしなくっちゃだめなんだ」と揺れる


豆太の目にうつるモチモチの木をもとにして、豆太の恐怖を読みとらせる
でも、豆太は、そうしなくっちゃだめなんだ」のときの豆太の気持を考える。


この場面の中心は
でも、豆太は、そうしなくっちゃだめなんだ」である。
みっともないやとわかっていながら、そうしなくっちゃだめだという豆太。
自分のなかでわかっているけどできないのである。
このような場面は、子どもたちの日常体験においても多々あるものである。
子どもたちの体験とかかわらせてみるのもおもしろい。


読むことにおいて、読者は、自分の体験を背景にしなが読み進める。
特に、この作品では、子どもたちの日常生活において思い当たることがあるはずである。
だからこそ、子どもたちは、この場面で、豆太により親近感をもつようになる。

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