教育随想868回2年国語「スーホの白い馬」第7時 学習指導
本時目標
夢に現れる白馬の言葉に導かれ、白馬の体で馬頭琴をつくり響かせることで、白馬との結びつきがいっそう深まっていくと思うスーホ心情を読み取る。
教材解釈
〇「かなしさとくやしさで」
悲しさは悔しさになり怒りとなったはずである。
競馬に参加していなかったら、白馬を死なせることはなかったという後悔。
かえってきた白馬に突き刺さっていた矢、そこまでする必要があるのかという殿様への怒りと死なせてしまった悔しさがある。
〇「いくばんもねむれませんでした」
どのくらいの期間ねむれなかったのか。悲しみと悔しさは日ごとに強くなってきたのだろう。さらに、悲しみは誰かに対する怒りとなる。
〇「とろとろとねむりこんだとき」
「とろとろ」とは、眠気に誘われて浅い眠りに落ちる様子。
何日も寝ていないので、ぐっすりと眠れそうだが、それができないスーホの心の痛み。
〇夢の中で白馬が伝えたことを実行するスーホ。
ほねやかわを白馬から取り出すとき、どのような気持ちであったのか。
〇スーホは、自分のすぐわきに白馬がいるような気がした」
そんな時、スーホの心に浮かんできたこととはどんなことか。
悲しみ、悔しさ、楽しさのどれが強くなっていたのだろうか。
〇「ますますうつくしくひびき、聞く人の心をゆりうごかすのでした」
スーホの馬頭琴の音色は、どうして聞く人の心をゆり動かしたのか。
スーホと白馬が一つになれる瞬間であった。
指導展開
中心課題
スーホが、どこへ行くときも、馬頭琴をもっていったのはなぜだろうか。
※この文の意味するところを考えさせることで、場面全体、物語全体を読み直すことに
なる。
・いつでもいっしょだよ
・思い出すことができるように。
・そばにいるように思うから。
・聞いてくれる人たちがいるから。
・人々が馬頭琴の音を楽しみにしてくれているから
この最後の場面は、子どもたちが今まで読み取ってきたことの成果になる。
子供の評価であり指導者の評価でもある。
白馬とスーホの深いつながりをどのくらい読み取れたかが評価の問題である。
くれぐれも多くの発問で子どもを引っぱりまわさないこと。
場面には、必ず核になる文や言葉がある。
その核を見つけるのが指導者の役割である。