教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

教育随想867回 2年国語「スーホの白い馬」第6時学習指導

本時目標
  〇一刻も早くスーホのもとに帰りたいと必死になって殿様のところから逃げ出す白馬の様子を読み取る。           
  〇何本も矢が突き刺さった白馬が、好きなスーホのところに戻り息絶えてしまう様子と、それを「しなないでおくれ」と呼びかけたスーホと白馬の深い心の結びつきを読み取る。 


教材解釈
〇白馬がとのさまのもとから逃げる様子の言葉の中に、スーホのもとに帰りたいという白馬の強い気持ちが表れている。
 ・おそろしいいきおいではね上がりました。
 ・風ようにかけだしました。
 ・白馬のせには、つぎつぎに矢がささりました。それでも、白馬は走りつづけました。
〇「そのばんのことです」
 白馬がとのさまから逃げた「そのばん」である。
 おばあさんのさけび声でスーホは「はねおきて、かけていきました」
 スーホは、矢がつきささり、あせがたきのようにながれおちていた白馬を見てどんなに心を痛めたことだろう。
ささっている矢を抜くときの痛みは、白馬の痛みと同時にスーホの痛みでもあった。
 「走って、走って、走り続けて」スーホのところへかえってきた白馬の気持ちをくみ取るスーホの痛む心。
弱りはてて、いきは、だんだん細くなり、目の光も消えていく白馬に「白馬、ぼくの白馬、しなないでおくれ」と願い、祈り、それもむなしく終わろうとしているスーホの悲しみはいかがなものだっただろうか
〇「そして、つぎの日、白馬はしんでしまいました」
 次の日ということは、前の晩、一睡もせずに白馬のそばについていたのだろう。
〇スーホは、戻ってきた白馬の体、息遣い、体の動きのすべてから、白馬のスーホへの想いを理解したのだろう
白馬の傷は、そのままスーホの心の傷になるだろう。




指導にあたって
 〇白馬がスーホのもとに逃げて帰ってきた様子を複合語を中心にして読み深めることが、それを受け止めるスーホの痛みを読み取ることになる。
  したがって、白馬の動きの描写をくわしく読ませたいものである。


3.指導展開


めあてをつかむ 白馬はどのような気持ちでスーホのところにかえってきたのだろうか。
そして、もどってきた白馬を見守るスーホの気持を想像しよう。


課題(1) スーホのところにもどりたいという白馬の気もちがあらわれているところは
     どこか。
①読み返して線を引く。
②線をひいたところは、白馬のどのような気持ちがあらわれているかを考える。
③わかる文や言葉を発表してから話し合う。
「それでも白馬は走りつづけました。」から「白馬はしんてしまいました」までの間の白馬の様子を言葉にそって読み取る。


課題(2) きずついた白馬を見守るスーホの気持を考える。
①読み返して、気持ちがわかるところに線を引く。
②わかる文や言葉を発表してから話し合う。
「白馬、しなないでおくれ」と語ったスーホの心うちを想像させる。


振り返り 白馬とスーホのむすびつきについて感想を書く。
 二人の様子を見て感じることを書かせる。

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