教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

教育随想862回 2年国語「スーホの白い馬」第1時 学習指導

本時目標
〇物語の題名からお話の概要をつかむ。
 ※子どもが概要をどの程度把握するかは個人差が大きい。
 ➡挿絵をもとにして物語の流れをつかませる。
 ➡誰がどこに住んでいるのかは物語を読む上で重要である。
  遊牧民の一人として生活するユーホの背景を捉えさせる。
  
〇初発の感想を書き、強く心に残ったことを出し合い、友だちの作品に対する見方を知る。(共通と相違を知る)
 ※低学年の場合、感想を書くことに抵抗がある子どもが多い。
  読むだけで充分おもしろいものを感想を書くことで興ざめしてしまうことがある。


指導にあたって
① 題名想起から作品への関心を高める。
➡スーホと白い馬の関係がわかる題名である。
 「スーホの白い馬」と「スーホと白い馬」を比較して両者の
  関係を考えさせる。


「の」の意味するものについて考えさせる。
② 場面分けをして、子どもたちに教科書を区切らせる。7場面に分ける。
   ※場面分けを子どもたちだけで終えるのは無理がある。
   ➡挿絵だけで場面分けすればわかりやすい。


③ 感想を出し合って、友達の感想との共通点と相違点を把握する。
➡感想は文ではなく、短い言葉で表現させる。
感想をもつこと、それを交流することは物語を読む入り口である。
学習の最初において、子どもたち全員をスタートラインに
断たせる。
だから、感想を文章にする子もおれば、一言だけの感想を書く子
もいてよい。


指導の展開


①問:「スーホの白い馬」という題名になっているが、どうして「スーホの」「の」がついているのだろうか。「白い馬」だけの場合とどう違うだろうか。
  ※「の」がついていることで、スーホが世話している、スーホが大事にしている、スーホが大好きな・・という意味合いを感じたらよいだろう。


②場面を7つに分ける。
※子どもたちに分けさせるには少し難しいので、挿絵を中心にして区切る。
  ※できるなら場面ごとに簡単な題名をつけるのもよい。
   難しいようであれば無理をしない。


③ 感想交流
 問:物語を読んで一言だけ感想を発表しなさい。
「一番強く心に残ったところを一つだしましょう。」
その前に言葉ではなくどの挿絵に心が動いているかを発表する。
 言葉としては
・おおかみからひつじを守る白馬。
・白馬が命がけでスーホのもとにもどるところ
・白馬をとられてスーホがいじめられるところ
・白馬の体で楽器をつくるところ。


 ※どの挿絵が一番強く心にのこったかを挙手させてみるのもよい。子どもたちの読みの傾向を事前につかむこと


最初の感想を明確にしておくことは、子ども自身が学び終わってどのような変化があるかを気付かせるためである。


※子どもたちの感想の傾向は、掲示物に書いて学習が終わるまで残しておく。
 最後の感想とどのように違ってくるかを意識させる。


授業を終えてすることは
子どもの感想をすべて記録する。
指導者は、それぞれの感想とその理由をまとめて授業案の修正をする。
子どもたちどの場面が読めてどの場面が読めていないかを把握する。


子どもたちが読めていいないところ(文、言葉、場面)をもとにして授業案を
再検討する。


感想を持ち発表させることは、指導者側から見ると子どもが作品の
どこを見て何を感じているか
を把握するためである。
子どもの立場からすると、自分の感想と友だちの感想を交流させる
ことで、感じ方の違いを知るためである。
違いはどこから生まれているか、それを修正していくことが学習で
ある。
みんな考え方は違う。
みんなと同じ、共通するところもある。
この両面を子どもたちに抱かせながら学習を進めていく。
感想は、子どもの性格や今までの経験を知る上でも重要になる。

×

非ログインユーザーとして返信する