教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

教育随想 804回 4年算数 概数だらけの日常生活

概数の意味を理解し、数を手際よくとらえたり処理したりすることができるようにするとともに、目的に応じて概数を用いることができるようにすることをねらいとしている。


「野球場の観客数が34523人と34500人、どちらが正しい人数かを子どもたちに話しあわせる。
野球場の観客数はたえず増減をくりかえしている。
概数を使ったほうが正しいといえる。
世の中の概数を子どもたちにあげさせる。
そのほとんどが概数であることがわかる。


概数は,本来主体的な必要感に基づいて判断して用いられる数である。
これまで,測定や買い物の場面で概数的な見方は学習してきている。
ここでは,概数の意味を理解し,数を手際よく捉えたり処理したりすることができるようにするとともに,目的に応じて概数を用いることができるようにすることをねらいとしている。
概数を用いると大きさが捉えやすくなる。
物事の判断や処理が容易になり、見通しを立てやすくなる。
これらのことに気付かせる指導が望まれる。


どんな力をつけるか
概数の指導では、ややもすると「万の位まで求めなさい」「千の位までの概数で求めなさい」など、求める位を指示した問題のみ扱うことが多くなり、それがねらいだと思われがちである。
つまり、数を指示通りに丸めることに重点を置きかねない。


概数を求める指導では、問題に対処したとき、その問題場面で概数を使うねらいを考えることが大切である。
例えば旅行の積立などです。
全体でどれぐらい積立が必要か、それは個々では毎月どれぐらい積み立てることになるのか、また積み立てた方がよいのか等々このような場面設定の上で概数で表すことのよさを味わわせていく。


小数の概数も
概数の指導というと、ほとんどの場合大きな数量を処理する場面を想定。。しかし、概数のよさは、大きな数のみならず小数でも分数でも味わうことが出来るし、そのような指導が大切である。


「四捨五入」と、「切り上げる」、「切り捨てる」
学習指導要領の扱いでは、「四捨五入」が大きく取り上げられている。
従って教科書の扱いも、そのほとんどの教科書が「四捨五入」のみを定義している。(ごく一部の教科書では「切り上げる」、「切り捨てる」も定義)


また、「この場合は四捨五入、この場合は切り上げ…」などのように、「意味理解」が不十分なままの「形式的な仕方」のみを教えている。
しかし、目的に応じて数値を「丸める」という考え方を徹底する。
その手法として「四捨五入」と、「切り上げる」、「切り捨てる」があると考えるなら3つともしっかり指導すべきではないか。
なぜなら、「四捨五入」と、「切り上げる」、「切り捨てる」の3つの手法の目的は「その目的に合った一番近い数にする」ということだからである。

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