教育随想 767回 4年理科 「夏の生き物」 教材の視点
4年生の理科、生物学習は四季の変化による動植物の生態を学ぶ。
単元のねらい
○春、観察した生き物が夏の季節になると、どのように変わって生きているかを
観察できるようにする。
指導にあたって
○2つの観察から学習が構成されている。
①校庭などの木やその周りの生き物が春と比べてどう変わっているか。
②自分たちが世話している植物がどのように成長しているか。
○生き物の様子を観察する学習であるが、その環境と視点を明確にしてから
学習させることが大切である。
環境とは・・・気温の測定 池などの水温の測定
視点とは・・・春に比べて
○自分たちの花壇の植物観察については、どこがどのように成長しているか
を過去の記録と比較して観察できるようにする。
その視点は 茎の太さ 葉の大きさ 葉の枚数 茎の伸び方
成長点の発見 つるのようす 蒔き方の特徴
◎ただ、観察して終わりという学習になりがちで、学びが広がらない。
①植物にとって 夏の季節とは どのような意味があるのか。
②動物にとって 夏の季節とは どのような意味があるのか。
③植物の生態についての知識など。
考えさせる問題として課題として提示する。
指導例
ねらい・・・夏は生きるものにとって、養分をつくったり生長したりするのに大変良い季節であることに気づく。
問題把握
夏の季節は、生き物にどんなえいきょうをあたえているだろうか。
問題を提示
問題1 夏は植物にとって、何を作るのによい季節なのか。
そのわけも考えよう。
問題2 動物にとって、夏はどんな季節か。
それぞれの問題をノートに書いて考える。
①考えをかく。
②それをもとにして話し合う。
問題1
梅雨の間に多くの水分を得ることができる。
日があたっている時間が長い。
問題2
よく活動できる季節である。
一方では
病気になりやすい
黒い体の動物や、体の小さい動物は、昼間の直射日光で体温があがりすぎて死ぬ。
問題3 セミがなくのはなぜか。
ノートに自分の考えを書いて話し合う。
答え
子孫繁栄のため 雄のセミが自分の居場所を知らせるため。➡求愛行動
鳴いているのは 雄だけである。
大きな声鳴くおすには雌が寄ってくる。
➡教科書にのっているセミに関心を持たせるための学習である。
それぞれの鳴き声も教えてみるとおもしろい
教材研究の参考に
○夏は植物にとって、養分を作るのに絶好のシーズン
春は「発芽、芽生え」の季節である。
理由 梅雨の間に多くの水分をえることができる。
日照時間が長く、気温も高い。
➡どの植物も競うようにして茎をのばし、葉を広げていく。
○ヘチマ・アサガオ(つる性)
①茎の先に成長点があるため、先がよくのぴる。
②晴れていて、気温がたかい日ほどよく伸びる
③昼にくらべ、夜のほうがよく伸びる。
昼は光合成(食事) 夜は呼吸(リラックス)
寝る子は育つ、昼に得たエネルギーを使って成長している。
○樹木の様子
もっとも光合成が行われる時期
➡新しい枝を伸ばし、濃い緑の葉を茂らせている。
○動物の様子
変温動物は夏が最も多く活動している。
夏は成長して、産卵の秋に備える
テントウムシ バッタ コオロギ カマキリ カブトムシ
※チョウは卵から成虫までの流れを春から秋まで繰り返している。
○温度が高ければよいということではなく
あまり高すぎると
①病気になりやすい
②黒い体色の動物や表面積の小さな動物は、昼間の直射日光で体温が
過剰にあがってしまう。
そのため 夕方から朝にかけて活動する夜行性生物がいる。
例 カブトムシ カタツムリ
○セミが鳴くのは
子孫繁栄のため 雄のセミが自分の居場所を知らせるため。➡求愛行動
鳴いているのは 雄だけである。
大きな声鳴くおすには雌が寄ってくる。