教育随想 728回 気持ちの伝え方 4年生の国語教材「お礼の気持ちを伝えよう」 その2
手紙文を学習することの意義は、気持ちの伝え方のパターンを学ぶことにある。
もちろん、自分なりに文章の書き方を工夫すればよいことである。
しかし、型を学ぶことは、武道においても大切なこととされている。
型を習得することで、そこから応用、発展が生まれる。
手紙文も同じである。
手紙文の型は、誰もが自分の気持ちを相手に伝えられるように工夫されている。
めあて
「お礼の気持ちを伝えよう」の学習のめあてと見通しを持とう。
(1)お世話になった方に、手紙でお礼の気持ちを伝える設定。
(2)学習の進め方を理解する。
➡全文音読する。
①だれに何のお礼を伝えるか。
②手紙の型に沿って内容を考えよう。
③手紙を書いて読み返そう。
④手紙を送ろう。
(3)「気持ちが伝わる手紙とは、どのような手紙のことかを考える。
・ていねいな言葉と書き方
・ていねいな文字
・相手の気もちを考えた内容。
・何を感謝しているのかがわかる内容。
「手紙の型に沿って」とあるが、どうして型が必要なのだろうか。
「型」はお互いの気持ちを簡単に伝えるためのものであることを理解させる。
型が決まっている例
・スポーツの試合開始と終わり
・初めて会った人への挨拶
・行事、学習を始める時の挨拶
・朝会や集会の時の型
さらに、手紙の型を教科書から理解する。
①初めのあいさつ
②本文
③むすびのあいさつ
④後づけ
初めの挨拶の中で、時候の挨拶を考えさせる。
季節の到来や移ろいを表す文章を考える。
時候の挨拶は、書き手と受け取る者と共通の話題でつなぐことができる。
いきなり用件を書かないで、まず、相手に近づく試みとして時候の挨拶が大切である。
さらに、相手の安否を尋ねる文章を入れることで、より受け手との距離が縮まる。
手紙文を通して、自分野気もちをどのように言葉にのせていくかを考えさせる。
手紙は、人と人をつないでいく大切な役割があることに気づかせたい。