教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

教育随想 720回 教室環境整備 子どもたちへの最初のメッセージ

進級する子どもたちの思いはさまざまである。
前学年の時に頑張れた子どもは、進級してもやるぞという気持ちをもって進級。
前学年の時には、うまくなじめなかったり、勉強に成果をだせなかったりしたが、新学年では、リフレッシュしようと進級。


これらの子どもたちを、最初にしっかりと受け止める。
入室した時に、新鮮な気持ちを持たせる。
その手始めが教室環境の充実。



いくつか具体的に書く。
前の学級の掲示物や押しピンをはずす。
古い掲示が張られていたり、無意味な押しピンがささっていたりすると、気持ちが色あせる。


一人一人の児童机にすわって、座り心地、がたつき、机の表面の凹凸の有無を点。
机上や机の中の雑巾掛けをする。
凹凸のある机はパテを使ってうめていくか取り替える。
机の落書きは消す。


教室の棚やロッカーの雑巾掛け。
よく、掃除は、新学期に子どもたちと一緒にすればいいのではという意見もあるが、
それは先生の怠慢である。
食堂の掃除を客と一緒にするようなものである。
教室に一歩踏み入れた時の新鮮な気持ちを大切にする。


 「あっ、なにかが違う」「なんとなくやる気がでそう」「新しいものがいっぱいだ」「すっきりして気持ちいいなあ」という感覚を持たせる。
教室に入室するだけで担任の一年間にかけるメッセージが伝わる。
初日の日は子どもに掃除をさせない。
二日目から掃除を始める。
教室は清潔感がでるようにする。


前のシールがこびについていることがある。
これもきれいにはがす。
教室の床板をチェックする
落ち込んだり、引っかかったりするところはないか、すべりやすいところはないかを歩いて調べる。


教卓の上はていねいに片づける。
先生がそこで学べるような環境にする。
本棚には、辞書、参考書がぎっしり。


床を掃き、机や椅子の雑巾がけをする。
窓ふきも大切。
一年間、子どもにさせられないので、先生が担当する。
掃除当番を決めるとき、先生の仕事は窓ふきと入れておく。


教室の時計の位置、ふつうは、教室の横にかけている、
これでは、すべての児童が時計をみることはできない。
授業が早く終わってほしいという子どものために、前の黒板の上に取り付ける。
私のつまらない授業をがまんしてもらうために、せめて時間の経過だけはわかるようにしておく。


最後に、植木鉢の花をおく。
生きているものを置くことで、教室に活気と安らぎがでてくる。
ただし、命あるものは、不用意に枯らさない


最初の教室をすっきりさわやかにして、新しい子どもたちを迎え入れる。
飲食店と同じ。
環境を整えることで、料理をおいしくさせる。
子どもたちの新鮮な気持ちを萎縮させるわけにはいかない。

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