教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

教育随想 694回「初雪のふる日」第一場面 授業は3つの発問で組み立てる

どの教科においても、授業は3分節で組み立てる。
したがって、例外を除いて、多くの場合3つの発問を用意する。
そこで、最初の場面を考える。
この場面で、子どもたちの興味づけがなされる。


ねらい
秋から冬に向かう中で、女の子が石けりの輪を見つけて石けりを始めていく
様子を、不思議な何かが起こるかもしれない予感を持ちながら読むことができる。


ファンタジ―の入り口である。
子どもたちはどこからふしぎだなと思うだろうか。
指導にあたって
○この物語の最初から、どこか不思議なところ、普通とは違うところを見つけることができるようにする。
 ◎物語における主人公をとらえるとき、周りの環境や条件設定をしっかりと把握
しておかないと、主人公の行動や気持ちを理解することはできない。
★主人公は、常に、条件設定に縛られている、規定されているからである。


指導の展開
めあて 長い石けりの輪に飛び込んだ少女の様子と気持ちを読みとろう


どうして、女の子は、ろうせきの輪の中に飛び込んだのか
①一場面を全員で音読する。
②黙読して 課題に関係のある言葉や文に線を引く。
③線を引いた言葉や文から理由をノートに書く。。
④ノートに書いた自分の考えを発表する。
 ★ノートを読まない。高学年では、ノートから離れて発表させる。
女の子が興味をもつ
  長い石けり  どこまでも続いている
  目をまん丸にしてさけびました
  寒さ  秋の終わりの寒い日
□ 「 することがなくてひとりぼっち」
★先生の方で働きかける「どんな女の子なのか」という問いを出してみる。
□ 「しゃがんでいました」 
□ 「うつむいて地面をながめていました」
□ 「ほうっと大きな息」
□ ほうっと・・・ため息を吐く様子を読む。


飛んでいく様子で、ふしぎだ、なんとなくこわい感じがするというところを見つけよう。
①一人で読みかえして線を引く。
②全体に発表する。➡全体で話し合う
○「ゴムまりみたいにはずんできたのです。」
 ★「はずんできた」ということは、自然に体が軽くなっていったということ。女の子の意思とは関係なく。
「大きな犬が歯をむき出してほえました。」
★ほえることはあっても「歯をむき出して」というところから、見えないものがみえているとか、何か恐ろしい気配を感じているとか。


飛んでいる女の子は、こわさを感じていたのだろうか。
  ①感じている、感じていないかがわかるところを見つける。
「両手をポケットに入れて」
「得意そうに笑いました」
「女の子は、そればかりを考えていました。」
★3つの言葉から、女の子は、長い石けりにひかれて、夢中になって進んでいること   に気づかせる。


大まかに指導の流れを書いてみた。
ファンタジーの入り口をとらえさせる。
女の子に寄り添っていく始まりである。

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