教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

教育随想 672回  学習意欲は 生活意欲に 転化される

オンライン授業が多くなってきています。
オンライン授業では、映像を含めて豊富な資料をもとにして教えることができます。
能力の違うすべての子どもを一括にして相手するための工夫が必要です。
しかし、実際の教育委員会の授業や学校のオンライン授業を見ると、ふだんの講義形式の授業です。
おもしろさに欠けます。


私は、NHKの高校講座を視聴しています。
今は世界史です。
私は、高校時代、世界史が苦手でした。
不合格点をとり、先生に叱られた記憶が今も残っています。
そのこともあって、今になって最初からやり直しています。
高校の世界史の教科書も購入しました。
講座は、映像を中心に進められ、私のような苦手なものにも興味をもって学ぶことができます。
いわゆるオンライン授業ですね。
学生や児童が見えない授業の場合、教材と資料提示で勝負するしかありません。
だから、準備が大変でしょうね。


オンライン授業では、教室の場合と違って集団学習の場はありません。
今まで、集団学習について書いてきましたが、今回は、集団学習を指導するにあたって留意することを書きます。


集団学習の有効性が表れるのは、一学期の半ば過ぎです。
一学期の初めは、課題を学習することと同時に「集団で学習すること」を教えなければならないです。
そのために、教材の内容を簡単にして、集団学習の進め方を指導します。
話し合いための授業、班学習のための授業という傾向が大きくなります。
そうなると、教材の消化に遅れが出てきます。


ところが、一旦、集団学習を身につけると、個人の学習を中心とした場合と比べて、実に大きな効力を見せます。
学習進度の遅れはすぐに取り戻せます。
子どもたちのやる気が膨らんでくるからです。


学習の最初は戸惑っていても、先生対子ども、子ども対子どもの学び方に慣れてきます。
今時、よく言われる「対話的学び」とか「対話のある授業」とか言われるものに近いです。(集団学習の効力をどこまで意識しているが問題であるが)


集団学習は、先生を介在することが少なくなり、直接子ども同士をつなげます。
自分たちが学んでいるという参加意識が強くなります。
学び合いを通して、相手の人間性にも触れることになります。
「わかる」ことから「わかりあえる」楽しさが生まれます。
分かり合える楽しさの学級風土が育つと、生徒指導上の問題が少なくなります。


生徒指導よりも授業に力を入れるほうが効果的です。
授業、学びをとおして、子どもたちの学習意欲を高めると、生徒指導はほとんどいらなくなります。
学習意欲は生活意欲に転化されるからです。
人間としての交流が学びをとおす方がより深まりをみせるからです。

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