教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

教育随想 649回 小集団学習 「おもしろみ」「よくわかる」「役に立つ」

小学校も教科担任制が本格的に実施されようとしています。
一部の教科においては、教科を交換して教えるという学校もあります。
教科担任になると、教科内容、知識に重きがおかれる可能性があります。
学習集団を育てるという意識は低いようです。
もちろん、そうでない先生も多くおられます。


教科担任制になっても、小集団学習は実施されています。
しかし、その内容をみると疑問を感じます。
一番、気になることは、小集団学習が学習意欲を高めようという授業者の意図が明確ではないことです。


問題点が二つあります。
一つ目は、学習能率を高めるための小集団学習です。
全体で時間がかかることを班に任せます。
答え合わせや教え合いです。
あるいは、作業の分担です。
調べ学習も班に任せたほうが能率があがると判断したら実施します。
効率的な活動を目指しています。


二つ目は、学習内容や学び方に変化を与えるための小集団学習です。
個人や全体ではなく、班で友だち同士を交流させます。
雰囲気が和らぎます。
子どもたちの緊張感が少しほぐれるようです。
指導者が授業の進行に困った時の駆け込み寺の役目も担っています。


小集団学習であっても、個々の子どもたちの意欲と関わりが大切です。
子どもたちの学習意欲の向上を大切にします。


そのためには次のことを考えます。
一つ目は、「おもしろみ」をつかませます
一斉的な学習よりも、問題をより身近に感じることができます。
友だちと考えを交流させることで、問題の捉え方が明確になります。


二つ目は、「よくわかる」ことです
友だちと気持ちや考えを出し合うことで、問題解決過程がよくわかります。
小さなわかりにくさに友だちが答えてくれます。


三つ目は「認められた」「役に立った」という社会的な満足が得られます。
友だちと一緒に学ぶことで、自分の得意な分野を発見します。
自分の意見がみんなの学びに役立つ機会が多くなります。


こうした営みが、学びの集団維持につながります。

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