教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

教育随想 647回 疑問の自然消滅が 学習意欲を減退させる

授業を進めていくと、一人ひとりの子どもが学習問題に対して疑問をもちます。
ところが、自分の疑問が自己表現として表面に表すことができません。
そのうちに、自分の疑問も自然消滅していきます。
これを繰り返していく間に学習意欲の減退が見られるようになります。


子どもたちは疑問を抱いていても、それを質問する自信がありません。
特に、学力の優位な子が疑問をだすと、自分の疑問とは違うのでひっこめてしまいます。


本来、子どもたちは、疑問をだしにくいのです。
疑問、わからないという事に対して、あまりよいイメージをもっていません。
自分だけの疑問で、他の友だちはすでに分かっていたらどうしょうという不安。
自分がわからないことを出した時に批判される不安。


疑問は問題に問いかけて疑うことです。
子どもたちの疑問の中には、学習の推進力になるものがあります。
学習を深めたり広げたりするものもあります。


そこで、不安を払拭する必要があります。
白紙の用紙を配ります。(小さな用紙)
無記名で疑問を書かせます。
そのあと回収します。
一つずつ読み上げて、意味のある疑問であることを伝えます。
特に、すばらしい疑問に対しては「この疑問、だれの疑問かな」と尋ねます。
ほめたあとなので、書いた子どもの手は上がります。


この方法を一か月以上続けます。
子どもたちは、少しずつ、自分の疑問に自信を持ち始めます。
それらの疑問を学習の流れのなかで、どの場面にもってくるかを先生は考えます。
こうして、子どもの中に隠れている疑問を引き出していきます。


無記名で子どもたちの考えを書かせて公開します。

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