教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

教育随想 646回 なわとびを教える なわとびで育てる

体育や休憩時間に、クラスでなわとびをしているのを見かけます。
一人なわとびと集団なわとびがあります。
一人なわとびが苦手な子どもを観察していると、なわの動きと眼球の動きが連動していません。
なわの動きに目の動きがついていかないのです。
これを解消するためには、体の側面で片手でなわを回させます。
なわの動きだけを目で追うようにします。
やがて、側面で回しているなわの動きに合わせて飛びます。
側面で回しているので引っかかることはありません。
大切なことは、なわの動きを眼球が捉えるように練習させます。


今日のテーマは、長なわでの集団とびです。
クラスで順番になわの中に入ってとんでいきます。
みんなで回数を数えます。


友だち全員の力を合わせないととべません。
自分の番がきて、とぶときにひっかかってしまったらという不安があります。
その不安を取り除きます。


1から10,20・・と数えていくうちに誰かが引っかかるとします。
その時に、最初から数え直しません。
ひつかかっても数の順番はくるわせません。
止まったところから次の数を唱えます。
一から数え直しは、なわを止めてしまった子にとってはつらいです。
それを緩和するために数え直しません。


こうしていくうちに、なわとびの苦手な子も頑張ろうとする意欲がわいてきます。
なわとびをとぶ回数目標も50ぐらいから始めます。
そして、少しずつ増やしていきます。
みんなの力でとぶ回数を増やそうとする気持ちが一人ひとりの技能を高めます。
さらに、なわをまわす子どもが、苦手な子どもがとぶときに配慮します。
回し加減を微妙に調節する子もでてきます。


なわとびの回数をどうして1から始めるのでしょうか。
100-999-98・・・と逆に声をだしていくのもおもしろいです。
奇数だけ1-3-5 偶数だけ2-4-6 高学年になると5の倍数だけとか制限します。
算数の勉強にもなります。
なわとびの活動をできるだけ楽しいものにしていくためです。


私が、子どもたちの親密度を高めるために実践してきたのは二人なわとびです。
長縄に対して、正面から二人で手をつないでとびます。
できるだけ男女が手をつないでとびます。
とんだらぐるっとまわって、もとの列に並びます。(男女別々の列)
男女数が違いますから、同じ相手とはペアになるとは限らないです。


なわとびで何を育てるのか。
なわとびという教材で子どもたちのどのような心情、集団を育てるのか。


教育は教えることで何かを育てます。
教えることと育てることを分離させないようにします。

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