教育随想 645回 基本的な話し方 学びの過程で取り入れる
話し方の指導については、今まで、何度もとりあげてきました。
指導するとき、必ず、授業場面において指導します。
授業から切り離して、言葉、基本話型だけを指導しません。
言葉は、その場面において、必要だから生まれるものです。
「わかる」「わからない」の弁別から指導が始まります。
これも何回もお話しました。
学びのスタートラインにたつのが、この弁別です。
たずねる方法を指導する。
「この字はなんと読むのですか」
最初に読めない漢字を学習するときに質問させます。
子ども自ら読めないことを自覚してたずねさせます。
「この文は・・・と考えてもいいですか」
子どもなりの理解を確かめるための質問です。
「○○さん、すみませんが、もう一度言ってもらえませんか」
聞き手として話し手の言葉が理解しづらかった時にお願いします。
だれもが友だちや先生に対して、気軽にお願いできるようにします。
まず、先生がこの言葉を使います。(やってみせます)
実際の教室で参観していると、次のような言葉を聞くことがあります。
「聞こえないので、もう一度言ってください。」
「わかりにくかったので、もう一度言ってください」
これは、聞きとれなかったことを一方的に話し手の責任にしています。
実際にそうであったとしても、雰囲気が悪くなってしまいます。
「○○さん、どうしてそう考えたのですか」
意見には理由づけが必要です。
その理由がぬけている時にたずねる言葉です。
「なぜ、そのように考えたのですか」
なぜ、なぜ・・・と問い直すことは大切です。
意見を言うとき。
「○○について、私はこう考えます」
理由を言うとき。
「こう書いてあるのでこうだと思います」
意見をだした過程を説明する。
「○○について、○○さんの意見を聞いてこうだと考えました」
「理由ははっきりしないけど、こうなるだろうと考えてみました」
この意見をだした過程を話すことで、他の友だちとのつながりが出てきます。
特に、「○○さんの話を聞いて」などは。
他の意見と対比して
「○○さんとちょっとちがうのですが・・・」
友だちとの意見の違いを述べる時に使います。
この時に大切なことがあります。
「○○さんと違うのですが」では、少しきつい感じがします。
「ちょっとちがう」という言葉を入れることで、子ども同士の人間関係が穏やかになります。
よく見かける場面ですが、「それは違います」「それは間違っています」と厳しい言葉で発言させることがあります。
雰囲気がフリーズします。
とても気を付けなければいけない言葉です。
このような話し方指導は、学習、授業のなかで指導します。
そこでいったん止めて指導します。
話し方を変えることで、学習内容が広がったり深まったりするという経験をもたせます。