教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

教育随想 610回 先生としての能力 眼力

先生に必要な眼力です。
目が利く・・・鑑識眼がすぐれている
目が肥える・・・同種類の多くのものを見て、価値の見分けがつく
美術館や博物館に足を運んで、実際に優れていると言われているものを見て回ります。
さらに、素晴らしい自然のなかを歩きます。
紅葉も素敵ですね。
実際の物に触れることを通して、五感を養います。


目が高い・・・物事の本質、価値を見抜く力
  これは難しいですが、最低は、3つの視点から考えるようにします。
  子どもを捉える時も同じです。
  2つの視点はすぐに出てきます。
  あの子どもの良い所、悪い所と単純に言えます。
  もう一つの視点が必要です。
  そこに至るまでの生育歴、家庭環境、両親との関係などです。
  さらに、付け加えるとしたら、その子は先生や友だち、保護者をどのように感じているのかという視点も必要です。


目が届く・・・細かい所までよく注意が行き届く。
  見落としが多いです。
  私は、街を歩くと、なにげなくですが、人の表情、身なりに注意を向けていました。観する観察眼を養います


目につく・・・その存在や状態に気づくことは難しいです。
  30人ぐらいの集団のなかで、一人一人の子どもの存在に気付くことは大変です。
私は、毎日、放課後、自宅で、一人一人を思い出してチェックしていました。
簡単チェックです。
項目を決めて、チェックを入れるだけですか。
たとえば、対話の有無、眼差しの共有、働きかけ(声かけ・指示・注意など)
の有無など。
毎日チェックすると、今日一日の表情が浮かんでこない子どもがでてきます。
翌日、できるだけ早いうちに声をかけるようにします。


目を疑う・・・確かに自分の目にはそのようにうつるが、本当にそうかと疑う。
  子どもたちの表情、行為は、その子の心情とは裏腹な場合が多いものです。


なんとなく見ていることが多いです。
見る・観る・診る・看る・・・・いろいろありますね。
大切なことは、ピントを合わせることだ。
子どものどこにピントを合わせるかです。
意識して、目を止めて、焦点を合わせていきます。
カメラの視点を持つことが必要です。


これらのことを日々実行しているうちに、少しずつ先生の能力として備わっていくものです。
いつも言いますが、先生は理論家ではありません。
子どもを育てる実践家です。
実践家である限り、実践方法は先生によって異なるのは当然です。
臨床医です。

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