教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

教育随想 557回 子どもの結果の少し下をほめる

能力差はあっても意欲差はなし
子どもたちの能力を一律に引き上げることはできません。
子どもにとって、難しすぎる課題は、学習意欲を失います。
子どもの学習目標を一律に平均化できることもありますが、難しいですね。


大切なのは、子どもたちの現状に即した学習目標、到達目標を設定することです。
一時間の授業が終了したとき、どのくらいの人数の子どもたちが意欲を失っているのでしょうか。


授業における学習が楽しい、私でも理解できる授業づくりが求められます。
学習内容を全員に理解させることは難しいです。
しかし、わかりづらくても、「先生、もう少し教えて」という学習姿勢だけは残したいものです。


子どもたちの学習意欲を膨らませる一つとして、結果のほめ方があります。
子どもが跳び箱4段を跳べたとします。
そのときに「よくがんばったね。5段も跳べるよ」ではいけません。
結果の少し下をほめます
「3段をこえて4段も跳べたね。3段の跳び方も美しかったから、4段もできるかもね。」(5段を要求しません)


計算テスト10問のうち、5問できたとします。
「もっとかんばれば、10問もできるようになるよ」
ではなく「5問、半分もできているんだ。ということは、計算の仕方を理解しているんだよ」「今度は、正解6問をめざせるかな」


子どもの学習意欲は、自分が少しだけ努力したらできるだろうと思えるような目標を設定することで持続します。
高い目標を与えないことです。


「先生、今日の音楽会の練習、太鼓がうまくたたけなかったよ」
という子どもに「うまくできなかったことがわかる、あなたはすばらしいねえ」とほめます。


ほめることは、常に、子どもたちの学習意欲を持続させることがねらいです。
そのためには、今の子どもの実態に即して、どこをほめると次への学習意欲につながっていくかを考えます。
目標設定をスモールステップにします。

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