教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

教育随想 555回  つきあいの苦手な子に 出会って

劣等感をもっています。
基本的に自分に対する自信をもつことができません。
ここで再度お断りします。
このような子にはこのようにすればよいと一般的なことを問題にしていません。
私がその子に対して、そのような指導をして、一定の成果があったものです。
子どもの性格や取り巻く環境が異なりますので、決して、ハウツーものではありません。


さて、つきあいの苦手な子は、つきあうなかで、自分が目立ったり傷つけられたりすることを好まないようです。
さらに、人前にたつ自分に自信がありません。
自己主張が苦手です。


指導について
自信を持ちなさいと励ます指導は逆効果
です。
子どものフレッシャーを与えるだけです。
できるなら集団の目に身体をさらさないようにします。
授業の時も本人が挙手しない限り、先生から指名しません。


有効であったのは、先生の手伝いをさせることです。
単純な作業をさせます。
学級の中の目立たない仕事をさせます。
その役割を通して、自分の言いたいことを言わせます。
つまり、先生との対話を多くします。
先生とコミュニケーションがとれるようにします。
伝えたいことが伝えられる自信。
言葉のキヤッチボールを通して、言葉に自分の思いを乗せます。


授業において、話させるよりも書かせることです。
ノートに書かせた内容や考えを全体の前で読み上げます。
そして、ほめます。
ただし、大げさにほめないようにします。
さらっと「いいね」だけにします。
自分に自信を持てない子は、大げさに褒められることを嫌がります。
自分が周囲から目立つからです。
これを積み重ねると、その子は、自分の考えに少しずつ自信を持ちます。
やがて、自分を友だちの前に少しずつ押し出していきます。
時間がかかります。

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