教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

教育随想 544回 6年生の学習指導 予習無制限 復習視点を変えて

子どもたちは、誰よりも先に学んでおきたいのです。
漢字ドリルや計算ドリルを与えると、早く先に進みたいものです。
私は、6年生の学習指導において、自由に先に学習させるようにしました。


できる子は、ドリルを1カ月ぐらいで終了します。
算数の予習、上巻の教科書は、6月ごろに終了しています。
子どもたちの独り学習に制限をかけません。
子どもたちの多くは、誰よりも先に進みたいからです。


その気もちを押さえさせて、歩調をそろえて学習するのは、できる子どもたちにとっては退屈です。
先生は、学習の苦手な子に焦点を合わせて指導します。
しかし、すでにできている子にとっては、これほどつまらないことはありません。
特に、学習塾に通っている子どもにとっては学校の学習は退屈なのです。


教科書をすませてしまった子どもたちには、自分の持っている問題集などを提出させます。
先生の指導を入れます。
6年生の3学期になると、中学数学の勉強をはじめる子どもがいます。
それらのことも制限しません。


さて、先に進むことに制限しないようにしておくなかで、
私は、復習の必要性とその仕方について全員に指導していきます。


子どもたちは予習が好きですが、一度済ませたことを再び学習する復習を嫌がります。
復習は、学んだことを反復学習、覚え直す学習としてしか考えていないからです。
復習は習得した内容を自己点検するものです。
そして、それによって、さらに、習ったことを少し広げていく学習でもあるのです。


今、7月に入ると予定されていた教材が終わるころです。
そのあと復習の時間が多くなります。
そこで、子どもたちに次のような指導をします。


算数の教科書には、単元のあとに「まとめ」の問題があります。
これは全部できて当たり前の問題です。
それを子どもたちにさせてみます。
できない問題があったら教科書のページをめくって、その問題に関係のある所を読み直します。


テストを作らせる
さらに、1学期に勉強したことを各教科ごとにテストを作らせます。
できるなら班で問題を出し合って作成します。
全員に配布して実施してもらいます。
採点は、学級の子どもたちの事情によって異なります。
班で集約して採点することもできます。
先生が採点することもあります。
テストとしてではなく、復習ブリントとして、授業のなかで活用することもあります。


歴史の学習では、自分の関心のある人物や事件について、詳しくしらべたことを新聞にして掲示させます。
理科では、理科用語を集めて解説する掲示をつくります。
あるいは、終わった学習においていねもう少し詳しく実験、観察したいことを出し合って、全員で取り組むこともできます。
さらに、自由研究の課題を考えます。
共同研究もありです。
復習は、同じ繰り返しではありません。
視点を変えて、再度学び直すことです。

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