教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

教育随想 542回 6年生の学習指導 主体的学習の一歩

6年生の学習指導の目標は、自学自習、主体的学習にポイントをおきます。
その最初の指導内容として、問題意識の強化です。


単元全体で、1時間で、どのようなことを学習するのかを明確にできるようにします。
問題解決力は、問題をとらえる、情報を集める 仮説をたてる 検証するなどの過程をたどります。
そのなかで、今からどんな勉強をするのかを考えることができるようにします。
もちろん、今までの学年においても、そのようなことは実施されてきました。
だから、あえて、6年生の指導で強調する必要がないのではという考えもあると思います。


しかし、ここでの目標は、主体的学習であり、自学自習です。
指導者がいなくても子どもたちで学習できるようにすることをねらいとします。
ただ、百パーセント指導者を必要としないということではありません。
指導は子ども中心の学習になればなるほど必要です。


今回は、問題意識を強化するための指導についてお話します。
何を学習するかということをもう少し具体的に子どもたちに提示します。
教科の内容によりますが、
どこまでわかればいいのか。
どこまでできたらいいのか。
「わかる」「できる」という点に絞ります。


そこで、教科ごとに、学習問題(めあて)を考えさせます。
ノートに書きます。
書いたものを発表してから話し合いに移ります。
めあてを話し合うことは、その日の学習内容を概観することになります。
学習内容を概ね把握しないと課題は生まれてきません。


「わかる」「できる」の問題を全体で考えます。
次に、子ども一人ひとりが
どこまでわかったらいいのか、わかりたいのか。
どこまでできたらいいのか。できるようになりたいのか。
学びのゴールを明らかにします。
これらのことをノートに書いて考えます。
最初は、時間のかかることですが、子どもたちは、時間がたつとできるようになります。


やがて、学習係(教科ごとに)を決めて、授業の最初に、黒板にめあてを書かせます。
そのめあてについて、全体で検討します。
これが「問題意識の強化」です。


国語の学習、物語文や説明文では、少し難しい面があります。
しかし、課題を考えて明確にすることは、すでに学習が展開されていることになります。
主体的学習とは、自分の学びの終点がわかること、見渡せることです。

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