教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

教育随想 525回 読むとは、問い続けること

前回に続いて、3年説明文「言葉で遊ぼう」を例にとって考えます。
本を読むとは、言葉や文、さらには、筆者に対して問いかけ続けることです。
子どもたちが、その学年に応じて、文章に対して、問いかけができるようにしたいものです。
説明文は、その機会を多く与えてくれます。
第2時の学習になります。
指導目標を次のように設定します。
筆者の読者に対する働きかけが、題名と最初の段落にあることに気づく。


題名をしっかりと考えさせます。
題名は、文章の看板であり、筆者が伝えたいことの中心でもあります。
題名をもって、読者を呼び寄せます。


導入授業から
今日は、題名と最初の段落だけを勉強します。
みなさんは、自分の作文に題名をつける時、どのようなことを考えてつけますか。
映画の題名については、どうでしょうか。
見たくなるような題名にする。


そうですね、説明文の筆者も同じことを考えています。
題名を見て読んでほしいのですね。


題名想起
「言葉で遊ぼう」という題名を読んで、どんなことが頭に浮かびますか。
3つ浮かんだら立ちなさい。


キーワード
この文章で大事な言葉を3つ見つけなさい。
一番多く出で来る言葉を見つけたらいいのです。
子どもたちが、中心の言葉の数を数えます。
    言葉・・・22  遊ぶ・・・7  楽しむ・・・7
繰り返しででてくるのは、筆者にとって説明するために必要な言葉だからです。


いよいよ、第一段落の三行を読みます。
最初の段落は、筆者が読者を誘い込もうとしています。


はじめの3行の内容を読みとる。
三行の文を音読・視写する。
 音読後、4つの文をノートに書く。
     文のあと、1行だけあける。
尋ねられていることについて、ノートに答えを書かせるためです。


「みなさんは、しりとりや早口言葉で遊んだことがありますか。」


 みなさんとは、だれのことですか。
 読んでいる人、読者、だから、あなたですね。
遊んだことがある、ないのどちらですか。
この文を読んで頭に浮かぶことを言ってごらん。
  ・しりとりであそんだことがある。
  ・早口言葉も知っているよ。
  ・ほとんどの人が知っていることだよ。
筆者は、どうして、しりとりや早口言葉を持ち出したのかな。
誰もが知っている言葉遊びをだしてきたんだね。
読者に関心をもってほしいからです。


「これらは、古くから多くの人に親しまれている言葉遊びです。」


読んでみて、あなたはどう思いますか。
  ・その通りだ。
  ・へえ、そんなに古くからあったのか。
  ・どのくらい古いのかな。
文章を読んで、子どもたちが文章に働きかけることで、いろいろなことが浮かんできます。
  そのとおりだ そうかな  わからないなあ


「言葉遊びには、ほかにどのようなものがあるのでしょうか。」
「また、どのような楽しさがあるのでしょうか。」


 「…か」という言葉で終わっているのはどうしてですか。
 筆者がたずねている。問題をだしている。


言葉遊びは、ほかにもいろいろとあることがわかる。
どんな言葉遊びだろうかと知りたくなってくる。


これは、最初の一段落だけを一つ一つ指導します。
書かれていることに自分自身が反応していけるようにします。
文章の向こうには、筆者がいることを意識させます。
説明文を真中にして、筆者と読者が向かい合っているイメージを持たせます。


本を読むとは、言葉や文、さらには、筆者に対して問いかけ続けることです。

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