教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

教育随想 524回 授業における導入 3年説明文「言葉で遊ぼう」を例にして

「こま楽しもう」の前にある説明文です。
この文において、説明文の読み方を学びます。
指導計画は次の通りです。


第1時 学習の見通しをもち、読むための準備をする。
   ①新出漢字の読み書き指導とその発展
   ②国語辞典を活用した語句指導
   ③学習のめあてを把握
   ④段落指導➡段落の確認➡「こまの楽しさ」段落番号をつける。
 第2時 「言葉で遊ぼう」の構成をとらえる。
   ①文章構成(初め・中・おわり)の意味をとらえる。
   ②キーセンテンスについて理解する。
   ④「こそあど言葉」の確認
   ⑤1段落の内容を読みとる。
 第3時 2から5段落の内容理解
   ①2,3,4段落の内容を読みとる。
   ②終わり5段落の内容と意味を考える。
   ③筆者の伝えたいことを読む。
④自分の考えをまとめる。➡発表は次時


指導の流れについては、目の前の子どもたちの実態を見て変更します。
今回は、導入について考えてみます。
導入とは、「導き入れる」ことです。
子どもたちを説明文が読みたくなるように導いて、学びの入り口(登山口)まで連れてくることです。
したがって、ていねいに指導する必要があります。


次のことは、第1時の授業の導入です。


これから学習する文章をざっとながめてごらん。
ざっとページをめくるだけでいいです。


2つの文章が出でいますね。
「言葉で遊ぼう」と「こまを楽しむ」です。
どうして2つあるのでしょうか。
どこがちがうかを見つけなさい。


ページを開いて、二つの文章を概観する。
※ 「こまを楽しむ」の学習に生かしましょうという文から考えさせる。
 2つの文章の違いを見つける。
    読むのではなく、見渡してわかることを出し合う。
・はじめ 中 おわり
・赤線がひいてある
・下の欄に説明がある。
・段落 問い 新しい言葉があるなど。


結論 「言葉で遊ぼう」の文章で、説明文の読み方を勉強します。
    そこで身につけた読み方を使って、次の「こまを楽しむ」では、一人で読むことがめあてになります。
学んだことを使えるようになる」ことが、大切な勉強です。


次に、子どもたちが興味をもつように学びの入り口を広くします。


「・・・で遊ぼう」「…を楽しむ」の「・・・」の中に言葉を入れましょう。
子どもたちが考えやすい、どの子も参加できるところから始めます。
指名発言で低位の子どもを引き上げます。
言葉からいろいろなものを発想、想起させることで関心を持たせます。


「言葉で遊ぼう」に入ります。
今日は、「言葉で遊ぼう」を読んで学習のじゅんびをします。
☛①全員で音読しなさい。
   全員で音読させる時、一人ひとりの口の開け方、音読に対する自信の程度を
   探ります。
☛②独りで音読しなさい。
   全員音読から独り音読、全員で学んだこと(漢字の読み・読みづらい箇所)を
   生かして独りで読めるようにします。


言葉遊びにはどんなものがありますか。
しりとり 早口言葉 しゃれ 回文 アナグラム
これから、それぞれの言葉遊びがどのようなものかを読んで学習します。
さらに、書いた人、これを筆者と言いますが
読者にわかりやすく伝えるためのくふうを見つけることが大切な勉強です。


段落を知る。
文章に番号がうってあります。これを段落といいます。
何のために段落があるのですか。
筆者は読者に自分の書いている内容をわかってほしいという願いを持っています。
わかりやすく読んでもらうための工夫が「段落」であることを理解させます。


「こまを楽しむ」の文章を使って、段落番号を打ちなさい。 
 段落の意味を理解させたら、次の「こまを楽しもう」の文章に独りで段落をつけさせます。ここまでが、導入の部分です。


導入のあとは、以下の通り学びを進めます。
説明文のしくみについて知る。
わからない言葉を辞書を使って調べる。
この二つが今日の学習です。


ここでは、全員を参加させて、誰一人、置いてきぼりにならないようにします。
導入は、先生の働きがとても重要なのです。


子どもたちの表情(明るさ・真剣さ)を確かめながら、子どもたちを少しずつ教材に近づけます。 


さらに、第2時において、ていねいに指導します。(次回)

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