教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

教育随想 523回  説明文の指導 「こまを楽しむ」 筆者の説明の仕方を学ぶ

3年生の説明文の学習で、「こまを楽しむ」という教材を取り上げて、説明文指導についてお話しします。


単元目標として、以下のことがあげられています。
◎段落の役割について理解することができる。
◎段落相互の関係に着目しながら、考えとそれを支える理由や事例との関係などについて、叙述をもとに捉えることができる。
◎段落について知り、「はじめ」「なか」「おわり」の文章構成や、それぞれの段落の
内容をとらえることができる。
 ○段落とその中心をとらえて読むことができる。
 ○文章読んで考えたことを適切な言葉で発表しあい、1人ひとりの捉え方
の違いに気づくことができる。…感想を伝え合おう


説明文の指導にあたって、留意すべきことがあります。


説明文における4段階指導です。
一つめは、書かれていることの内容を読み取ることです。
二つめは、段落、文章構成のしくみを読み取ることです。
三つめは、筆者の伝えたいことを読み取ることです。
四つめは、読み取ったこと、筆者の考えについて、自分の受け取り方、考え方を読み取ることです。(高学年で)
3年生の子ども(あくまで自分の担任する子どもの実態)に応じて、ねらいを修正します。
ねらいを一般化するのではなく、目の前の子どもの能力に即してねらいを定めます。


この単元は、「こまを楽しもう」の前に「言葉で遊ぼう」という短い説明文があげられています。
二つの説明文があるのは、「言葉で遊ぼう」の学習で、説明文の読み方をしっかり指導し、
「こまを楽しむ」では、前学習で学んだことを使って自力で読ませるためです。
ですから、あとの説明文は、できるだけ自力で読ませるようにします。


教えたら、教えたことを使わせて自力で学ばせます。
最初の説明文は、指導を強化しますが、あとの説明文は、指導を遠ざけます。
すべての学習指導についても同じことが言えます。
自転車の乗り方指導を想像してもらったら、わかっていただけると思います。


説明文指導で注意しなければならないのは、説明文の内容理解に終始する活動で終わることがあります。
叙述の仕方よりも文章の内容を強調した授業が行われることです。
言葉遊びやこまの楽しさは結果的にわかることであり、それよりも筆者の説明の仕方を学ばせることが大切です。
説明の仕方を学ばせることが主目的です
筆者が読者によりよくわかってもらいたいという願いをもって書いている意図を理解し、その手立てを学びます。
その結果、作文に生かしていけるようにします。


「こまを楽しむ」の学習で、先生によっては、写真にあるようなこまを買って来られて、子どもに提示されることがあります。
その気もちはわかりますが、それは、説明文の学習が終了してからです。
説明文は、文章を理解してもらうために用意した、絵や図、表を参考にして文章を理解します。
文章からこまのイメージを想像しながら読ませます。


筆者の叙述の仕方を学ぶのが説明文指導です
発展として、「説明書き」を独りで読めるようにします。

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