教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

教育随想 496回 新学期 児童席から教室環境がわかる

新しい子どもたちを新しい教室に迎えます。
子どもたちは、進級の喜びを心いっぱいにして、新しい教室に入ってきます。
今度の教室は、どんな教室だろうと期待しています。
ところが、入ってみると、前の学級の子どもたちの掲示や物品が置かれています。
教室の床、机の上もほこりで汚れています。
これだけで、先生と子どもとの距離は遠のいてしまいます。


さらに、「さあ、新学期だ、一緒に大掃除をして新しい出発だ」なんてやられると、子どもたちは「先生、僕たちのことをどう思っているのかな。大切にされていない気がする」と感じる子供も少なくありません。(経験から)


クラス分けが終わり、新しい新教室に入る、足を踏み入れる瞬間がすべての始まりです。
進級した喜び、新鮮さ、その気もちを教室環境で増幅させたいものですね。


そのためには、子どもたちを受け入れる前にすることはがあります。
すでに、先生方はされておられると思います。


ロッカーの整備
隅々まで丁寧に拭き掃除をします。
先生によっては、掃除は、自分たちで使うのだから、始業式の当日に大掃除をさせたらいいとおっしゃられ方もいますが、私は、違うと思います。
ホテルの宿泊室を泊まる人間が自分で掃除したらどうでしょうか。
もちろん、子どもたちは客ではありませんが、初日は先生にとって大切なゲストだと考えます。
最初にすっきりさせて子どもたちにその感覚を体を通して入力しておくのです。
それが基準になって、日々の掃除を始めます。


意外に見落とされていることがあります。
先生が子どもの目線で教室を眺めていないことです。
先生の立つ位置から児童机や壁を見ています。
子どもの目線で見ることが必要です。


子どもの机に座ってみてください。
すべての子どもの席に座ります。
机上の傷、椅子のがたつきがないかを調べます。
机の中も要注意です。
かびやごみがでてくることがあります。


そして、次が最も大切なことです。
子どもの机に座って、黒板、前面がどのように見えるのか、子どもたちは何を目の中に入れて学ぶことになるのかを見つけます。
前列の左右の席 真ん中の左右の席 最後部の左右の席・・・いろいろと変えてすわってみると、教室環境が見えてきます。


最後は、教室の隅々までをはいてから雑巾掛けをして終了です。
もう一つ忘れていました。
花瓶にさした花です。もちろん鉢植えでもいいです。
テーブルにちょこんとかわいい花を置きます。
壁に絵をはるのもいいですね。


こうして、「働きかける者が働きかけられる」ということをねらいとして実践します。
子どもたちに働きかけることが、やがて、子どもたちから働きかけられるようになります。
親と子どもも同じですね。

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