教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

教育随想 497回 教科書の表紙から始める授業

子どもたちは新しい教科書を前にして、うきうきしています。
新しい教科書は、子供たちにとってまさにリセット気分ですね。
さて、最初の授業は教科開きの授業です。


子どもたちは、授業が始まると表紙を開いています。
先生はこう言います。
「さあ、国語の勉強の出発だね。あれ、どうして表紙を開いているのかな。」
子どもたちはきょとんとしています。
「表紙から勉強します。」
「えっ、表紙も勉強するの?」と子供たちの声。


表紙は教科書に題名がついています。
その題名について、どうしてそのような題がつけられているかを考えさせます。


そして、教科書の絵を見ると、「どうしてこのような絵になっているのかな」と話して、そこに描かれている人物に語らせます。吹き出しのようなものですね。
子どもたちは、自分なりに好きなように発表します。


制限されるものもなく、自分の感じだけで授業が始まので参加しやすいです。
そうなのです、全員参加がねらいです。
さらに、教室が和やかになることもねらいです。
お互いの考えの共通点、相違点を意識しあい、それらをお互いに受け入れる空気を大切にします。その始まりなのです。


中表紙には、詩が載せられています。
音読、声や気持ちを合わせるにはとてもよい教材です。
音読を全員で、あるいは、行ごとに読み手を変えて遊びます。
子どもたちは、進級して新しい学習、先生に不安を持っています。
それを取り除きます。
私でも声をだして参加できるという楽しさ十分に味わえるようにします。
4月の一か月は、「私でも学習に参加できるという喜び」を持たせることがねらいです。


例として表紙の学習は、
「表紙を見て、気づいたことを5つ見つけなさい。5つ見つけたら立ちなさい」と指示します。
さらに「7つ見つけたらすわりなさい。」と指示します。
気づきを最初にもってくるのは、学習の入り口を広くします。
これからの各教科、特に、四月の授業においては大切なことです。
全員起立させることで緊張感を与えます。


このようにして考える算数の教科書の表紙もおもしろいです。
なぜ、そのような絵が描かれているのか考えてしまいます。
そうそう、表紙を学習したら裏側、後表紙も学習してみてください。


これは、簡単な教材を真ん中にして、先生と子どもたちが仲良くなることが大切です。
先生も子供たちの中に入って、自分の想像したことをぶつけてみると楽しいものです。

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