教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

教育随想 495回 当番、係活動 前学年の慣例を否定しない

清掃当番、学級生活にとって必要な仕事です。
当然、組織しなければなりません。
当番の班をどのように決めるかは迷うところです。
とりあえず、暫定的に決めておきます。


座席、班、清掃の班は、暫定的に決めておきます。
正式に決定するのは、5月連休のあとにします。
子どもたちにもそのように伝えます。
その理由は、一か月、子どもをじっくりと観察したうえで決定するからです。
4月は、学級づくりの準備期間です。
正式にスタートするのは5月のゴールデンウィークが終わってからです。


当番活動は、その日から必要な仕事ですから、給食、清掃当番ぐらい決めておきます。
その場合も、子どもたちは前の学級の慣例を持ち出してきます。
当番についても、経験の内容が異なっています。
実は、ここが大切です。
この習慣を最初から否定してはいけません。


 「新しい学級には、新しいやり方があります」と、先生が子どもたちに話すと、子どもたちにとって、今までの学級生活経験が否定されたように感じます。
これは、学習の仕方についても同じです。


経験を否定されることは、子どもたちにとって好きだった前担任を否定されることになりますから、今の担任には、あまりよい印象を持たなくなります。
だから、4月は子どもの側にたってゆっくり準備をしていきます。
清掃活動をどのようにすれば、効率的に美しくできるかを子どもたちとともにつくり上げていきます。


係活動、子どもたちは、すぐに決めたがります。
係とは何かということを問い直す必要があります。
係を決めるのも急ぎません。
子どもたちが学級の友だちや雰囲気を知ってから、4月の終わり頃に決定します。
給食当番がなかったら不便ですが、係がなくても学級は動いていきます。
特別活動としての指導があるからという意見もありますが、指導の前に診察が必要です。



要するに、先生は、子どもたちの実態を把握してから、学級の組織化を進めます。
 観察➡診断➡治療の手順です。
 いきなり、子どもたちを先生の理想の世界にあてはめることのないようにしましょう。
進級したときの先生の気持ちは高揚気味です。
冷静になりましょう。
新学期、最も冷めているのは担任です。
見る」ではなく「観る」(くわしく観察)の目で過ごしましょう。
やがて「診る」に変わっていきます。

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