教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

教育随想 489回  学年は商店街 学級は小売店

今日、街を歩いていると、連れ立って昼食に行かれる先生を見かけました。
その先生の会話が通りすがりに耳に入ってきました。
「昨日、終業式を終えたばかりなのに、今日から、もう新学期が始まったように感じますね」
私は、この会話を聞いて「もう、新学期が始まっているのに・・・」と、自然につぶやきが出ました。


まだ、終わった学年の事務処理があるとは思います。
しかし、二週間後に新しい子どもたちがやってきます。
勉強会の先生には、もう新学期は始まっているので準備してくださいと伝えました。


ある先生は、新年度、初めて学年世話係を任されるようです。
責任が重く不安だと言われます。
不安に思うことが責任を感じ、使命感を持たれていることになります。


学年世話係になるにあたって、次のようなアドバイスをしました。
細かいことは、その都度、勉強しましょうと伝えました。
お話したことは以下のことです。


今まで学年世話係の先生のもとで仕事をしてきました。
そのなかで、このような世話係にはなりたくないと思ったことを書きだしてください。
逆に、すてきだ、仕事がやりやすかったと感じた世話係の先生がされたことを書きだしてください。
この二つをもとにして、自分だったら、こんな世話係になりたいと思われる姿を想像して書いてください。
これが最初にすべきことです。


次に、世話係の仕事は、学年経営です。
その主たる使命は、「先取り」です。
学校、学年行事を一年間通して見通しを持ちます。
行事までに準備することは何か。
物だけではなく、それまでにどのような子どもたちを育てておきたいかです。
行事の結果をどのようにしてまとめるのか。
学年経営にどのように生かしていくのかを考えます。


次に、大切なこと、私は、これが一番大切なのですが、教材の見通しです。
教科書上下巻とも最後まで読みます。
どのような教材があり、どのような準備を必要とするかを考えます。
いきあたりばったりの学年経営にならないようにします。
そのために、教材の年間計画です。
単元名を月ごとに割れ充てられているものが多いです。
単元名とその単元の主たる指導目標も書きだします。
さらに、準備物も調べておきます。


年間計画は、行事と学習を突き合わせて修正します。
単元の入れ替えです。


最後に、大切にしたいことは、学年の先生方が学年の打ち合わせに期待されていることを把握することです。
先生方が今までの学年打ち合わせをしてきて、問題点や改良点を明確にします。
これは、メンバーによっては、はっはりさせにくいこともありますが、メンバーの共通項をまとめるようにします。
共通項とは、「これだけは話していこう」ということです。
教材研究を一緒にしたい。
子どものことについて情報交換したい。
学級づくりについて話し合いたい。
どれを共通項とするかを話し合います。


学年は2つ以上の学級が集まれば、商店街経営です。
商店街(学年)の発展は、個々の店(学級))が繁栄することです。
個々の店が発展するために商店街という環境設定が大切です。

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