教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

教育随想  463回  学級づくり 開拓期間 折り返し地点 充実期間

学級づくりについてお話します。
今までも書いてきましたように、子ども個人をどのように育てるかということと、子どもをとりまく集団、仲間づくり、学級づくりをどうするかの両面から考える必要があります。


学級づくりは仲間づくりです。
簡単ですが、一年間を大雑把に見通します。


学期についての考え方
1学期は、その学年に相応しい学級に一日一日迫ります。
前の学年での生活を引き継ぎながら、ていねいに学級を始動させます。
前学年の学び方や生活のルールを決して否定しないようにします。
子どもたちの思い出を大切にしながら、新しい集団での生活に適応させます。


2学期は、その学年に相応しい学級になるように指導します。
たとえば、5年生であれば、一学期は、4年生に近い5年生です。
そして、二学期が本当の5年生としての生活、学習を展開させます。


3学期は、6年生に進級するだけの学習習慣と学級生活の営み方を指導します。
次学年を目標にして、充実拡大を図ります。


マラソンコースに例えます。
4月から9月は開拓期間です。


個人、学級の現状を把握し、それぞれの子どもたちの可能性を求め、その学年に相応しい学力・能力・態度養成に全力で取り組みます。


注意事項
①5月連休までに、主として個人観察と学級の基礎づくりをします。
決して、指示、命令、説教で子どもを追い込まないようにします。


②登校拒否児発生、学級崩壊は経験的にみて、5月連休後から6月上旬ごろに
 発生しやすいです。次の学級崩壊は11月ごろです。


③学級が本格的に動き出すのは、7月上旬ごろです。
 学級の空気が生き生きしてきます。
 子どもたちが主体的に活動します。
 不思議なことに、どの学年を担任しても、学級の胎動時期は7月の初め頃です。
 学級や子どもたちがある日を境に急に変化します。
 4月から6月のていねいな指導の結果です。


④徹底的に「はい」「いいえ」「わかりません」が言えるようにします。
 授業の場面において指導します。
 ただし、圧力をかけてはならないです。


10月 マラソンの折り返し地点です。
ここで、個人指導・学級指導について見直します。
特に、年間計画と現状の狂いについて修正する時です。


11月から3月は、充実期間です。
来年度における一人ひとりの子の活動状態を想定して実践を強化します。


開拓期間で身に付いた学力、技能をふまえて、より子どもたちが主体的に取り組める
場を設定します。
先生に「教わる」という受動的な立場から、「自ら学びとる」という立場に変更します。
これは、授業の流れや構造を変えていくということです。


一つの教材を習得するために、[どれだけのノート使用ができるか]に興味・関心を持たせて、クラスの話題になるようにします。
もし、4月からの学習指導が順調でしたら、一教材でノート一冊使用する子どもがでてきます。もちろん、教科や教材によって違います。
国語では、それが可能です。


以上が簡単に一年間を見通した学級づくりです。

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