教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

教育随想 449回  学習診断カルテの活用 

子どもたちの個々の学習状況を大まかに把握することは児童理解と指導の上で大切なことはいうまでもありません。
日々、ノートに記録すればいいのでしょうが、どうしても抜け落ちることが多いです。
私は、簡単に児童の様子をチェックできるカルテを考えて活用していました。
あらかじめ評価項目をつくっておきます。
評価項目はその時々で何度も修正します。
短時間でチェックするためです。


主なものを紹介します。
前もって、以下の項目を書いた一覧表を作成しておきます。
国語の場合
音読・・・内容に適した読み  読点句点に気を付ける  はっきり読む  早口
     棒読み  漢字に抵抗  センテンスをまとめて読めない  どもる
     以上、7項目を表に書いて、該当するところにチェックを入れるだけにします。
     各教科同じようにします。


漢字・・・優秀である  努力が表れている  字によってむらがある  
     比較的易しい字を間違える  覚え方を研究しない  関心がない


聞く…正しい判断をくだす  あまり反応を示さない  むらがある  
他のことを考えている  姿勢が悪い  落ち着きなし  ぼんやりしている


話す…自分から進んで意見が言える  疑問・質問が言える  指名すると言える
     時々つまってしまう  めったに発言しない  返事もしない


言葉・・・語彙が豊富  辞書を活用  ノートに書いても頭に入っていない
       覚えてもすぐ忘れる  覚えようとしない  調べてこない


作文…起承転結が明確  段落意識が明確  事実だけで心情描写に欠ける
    内容がつかめない


算数
計算・・・正確ではやい  正確だがおそい  速いがよくまちがう  数字がきたない
     練習不十分  理解していない  やる気が見えない
文章題…多角的な考えを利用して解く  考え方はよいがよくまちがう
      文章の読みまちがいがある  段階的な考え方ができない


社会
問題解決・・・問題発見ができる  自力で解決しようとする  他に尋ねることができる
        協同で解決にあたることができる  結果をまとめられる
資料活用…解決に必要な資料が集められる  資料を使って推論ができる
       表やグラフの見方を知っている  表やグラフがわからない
       教科書を活用できる


理科
問題解決・・・問題発見ができる  自力で解決しようとする  他に尋ねることができる
        協同で解決にあたることができる  結果をまとめられる(社会と同じ)
実験態度…器具を準備できる  使用のきまりを守って実験できる 
 ノートに計画をたててから実験にうつる  班で分業できる


項目については、学年によって違ってきます。
さらに、先生が評価したいことによって、内容が違ってきます。
ですから、上の項目も子どもたちの成長に伴って変えていきます。
私の場合は、月末にチェックしていました。

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