教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

教育随想 448回  授業目標の明確化、教材の精選、山場づくり

1.その教材を通して、子どもに身につけさせるものは何か、子どもがどうしても学びとらなければならないものは何かという授業目標を明確にします。


 少し具体的にします。
〇心の糧として受け止めるべき精神的価値は何か。
〇身につけるべき知識、技能は何か。
〇さらに、その知識、技能の基礎的、基本的事項は何か。
 これだけは、どうしても教えなければならない最低限の内容は。
〇その教材を解決するために必要な学習の仕方、方法は何か。
  教材を通して学び方を指導。


2.目標の洗い出しの中から、ぜひこの教材でという目標をぎりぎりしぼって学習目標と
 学習内容の精選を図ります。
 教材を目の前にして、考えられる教材を箇条書きにする。
 指導者の考えで目標をあげてみる。
 そのあとで、その教材の特性を生かした目標に絞る。
 あれもこれも目標に上げたいが一つに絞る。
 こうすることで、授業案がスリムになります。


3.精選した学習内容について検討します。
 子どもがすでに知っていることは何か。
 何を先行させて学習するか。(教材の入り口をどこにするか)
   どんなことが容易にわかるか。
 どんなことがわかりにくいか。
 学習のどこでつまずくか。(予想される困難点の把握)


4.学習問題を並列にならべるのではなく、どのような「山場」をつくって核になる部分を
 もりあげるかを考えます。(学習の構造化)
 山場にかける時間を考え、授業の時間配分を考えます。


5.最も大切なことですが授業は教材のためにあるのではなく、能力の違う一人ひとりの
子どもに全力を発揮させるためにあります。
教材をどのように流すかではなく、能力差のある子どもたち一人ひとりの学習意欲を
どのように引き出していくかが大切です。

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