教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

教育随想 447回  4年理科「冬の生き物」4年  学びを通して何を育てるのか

教材が目標とするところを教科書からあげてみます。
「ようすは、これまでとくらべて、どのように変わってきたかを調べてみましょう」
さらに、単元目標として


○ 冬の動物の活動や植物の成長に興味・関心をもつ。
○ 動物の活動や植物の成長と季節のかかわりをとらえることができる。
○ 春・夏・秋における生き物の様子と比べて観察することができる。

上のことからわかることは、「興味関心」「関わりをとらえる」「観察することができる」
などの態度目標が中心になっています。
興味関心をよせることで、関わりをとらえることで、観察することができて、どのような考え方や見方を育てたいのかが明確ではありません。
理念がありません。


教材を通して、子どもに身につけさせるものは何でしょうか。
子どもどうしても学びとらなければならないものは何でしょうか。


そのように考えると、動植物にとって冬は何を意味するのでしょうか。
人間は、冬になると温かく過ごす工夫をすることができます。
しかし、植物や小動物にとっては、命がけの冬です。
このあたりのことを子どもたちに気づかせていきたいと考えます。


○ 動物や植物が冬の厳しさに耐えて過ごすことがいかに大変なことかを理解させたい。
○ 植物は、冬の寒さに耐えるための工夫をしていることに気づかせたい。
○ 人間以外の生物にとっては、「冬」は「死」を意味する。春になるまで、生き延びるための工夫をするのが冬である。


まさに命がけの冬の営みです。
同じ命としての営み、生命力を感じ取らせることが大切です。


子どもたちへの導入です。
植物は、みんなかれてしまうのでしょうか。
植物がすくすくと育つためには、太陽の光や暖かさ、養分やそれを溶かす水が必要だということを知っていますよね。
冬になると、これらの条件が悪くなってきます。
昼の時間が短くなるし、寒くなります。
水分は、雨から雪になったり氷になったりして取り入れにくくなります。
みなさんは、寒くなったり食べ物が少なくなったりしたらどうしますか。
家の中へ入ったり服をたくさん着たりして暖かくできますし、お店に行けば食べ物を買うこともできます。
植物はそんなまねはできませんが、冬になる前にいろんな工夫や準備をしているのです。そして、一見活動をやめて眠っているような状態で冬を過ごすのです。
これを休眠状態といいます。
どんな工夫をしているのでしょうか。


質問 もし、人間が冬の寒いときに、はだかのまま立っていたらどうなりますか。
・風をひく ・病気になる ・死ぬかも


それでは、人間は、そうならないために冬はどのようにしますか。
・服を着る ・家の中に入る ・暖房器具を使う ・あったかいものを食べる


そうです。人間は、寒い冬を過ごすためにいろいろなことを考えています。
さて、植物や動物はどうでしょうか。…導入として


教材を通して、どのような見方、考え方を育てるかを意識して教材を加工します。

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