教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

教育随想 445回 高学年の学習指導  まず、先生がノートづくりをして公開する

ノートで子どもたちの思考を鍛えます。
ノートで子どもたちの学びを鍛えます。
ノートは低学年から、子どもたちの実態に応じて指導します。
ノートは先生が一人ひとりに関わって指導することが大切です。
授業参観や研究会に出かけたとき、私は、子どもたちのノートを見せてもらいました。
それを見れば、子どもたちの学びと先生の指導が明確にわかります。


新学年を担任するとき、子どもたちに前の学年のノートを持ってくるように指示します。
一人ひとりのノートを点検します。
子どもの学びを点検します。
子どもたちの受けた学習指導を点検します。
このようにして、新年度のノート指導を考えます。


高学年はノートが命です。
中学や高校に通っている子どもたちの全員が言います。
「先生、ノートの使い方が今でも役に立っています」(他のことはだめかも・・・)
ノート指導は子どもに任せていたのではいけません。
厳しく、時には追い込みをかけます。
ノートは生涯において役立つと考えたからです。


ノート指導の最初の指導は「先生がつくるノート」です。
学習進度に応じて先生も子どもになってノートを作ります。
子どもたちにこのようなノートをつくってほしいという願いを込めて作ります。


算数の場合
薄くていねいに縦線を入れる。
日付とページを入れる。
縦横そろえて計算問題を書き、丁寧に計算します。
特に、数字の大きさをそろえます。
計算が間違った場合にその横で再計算する場を作ります。
赤鉛筆で修正しません。
どうして間違えたのかを文章で表します。


文章題も式と計算をセットにします。
計算だけ隅っこで小さくしていることがありますが、計算も考え方を表す表現です。


先生がつくったノートを毎日のように掲示します。
その時に大切なことは、「先生の真似をしなさい」とは言わないことです。
掲示するだけでいいのです。
子どもたちがその掲示を見て、どの程度参考にするか、その反応を確かめたいからです。
強制的にさせる場合と子どもたちの意思に任せる場合の二つを使い分けます。
時間がたつにつれて、子どもたちは自分のノートを工夫します。
ノートの見本は、勉強が得意な子どもの中にあります。
オリジナルノートをコピーして掲示します。


ノートについては、個人指導に力を入れます。
全体指導でアドバイスをしますが、子どもたちの学び方に応じて違います。
子どもなりにこだわりノートを作っていることがあります。


ノートの検閲もいろいろな方法をとります。
教科によって提出日を決めておきます。
一週間に一回は見られるようにします。
学習内容によって、その時に、指導すべきことがある時、臨時に集めます。
授業中にノートを開かせて指定した箇所を見ます。
そして、机間巡視をして一言、アドバイスをします。
その内容を子どもに赤字でノートに書かせます。


さらに、今までもお話しましたが、友だち同士のノート参観です。
机の上に自分がみてほしい部分を開きます。
全員立って見て回ります。


黒板を写しなさいという書写的なノートではだめです。
ノートで思考を鍛える厳しさが先生には必要です。

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