教育随想 438回 高学年の学習指導 つかむ 見通す たてる
高学年の学習指導、特に最終学年の6年生を中心にお話します。
6年生の子どもたちの学習態度は、学校教育の集大成です。
卒業式の態度は、まさに、先生方の6年間の結果であり成果であるはずです。
学校教育目標で掲げた内容は、卒業式の時の6年生の子どもたちに具現化されていなければなりません。
しかし、実際は思うようにいかないものです。
学校教育の反省は、目の前の子どもたちの姿をもとにして分析しなければなりません。
6年生をいかに育てて中学の教育のもとに送り出すかを考えます。
中学の学習に適応するための基本は、「自学自習力」です。
「主体的学習」の確立です。
そのためには、常に、課題意識を強く持って学べるようにします。
問題解決のためのルートをしっかりと身につけさせます。
問題解決力を強化する学習を意識して授業を組み立てていきます。
問題解決力について
①問題をつかむ
何を学習するのか、どこまでできたらいいのかを教科書を活用して把握します。
先生に問題を提示してもらうのではなく、自力でつかめるようにします。
そこに至るためには、班で今日の課題を話し合います。
そして、課題を一つに絞ります。
それぞれの班から課題が発表されます。
どうして、それを課題にしたのかを検討します。
提出された各班の課題を話し合って一つに絞るか、絞れないときは、順位づけをします。
一学期の一か月ぐらいで、自分たちで課題を見つけられるようになります。
もちろん、先生のサポートも時々必要です。
一学期後半からは、子どもたちが決めた課題を前もって板書します。
その課題で先生は授業を進めていきます。
課題意識は、前もって子どもたちが家で予習として考えてきます。
②見通しをもつ
課題達成のための学びのルートを考えます。
一般的な学習形態としては、
独自学習➡班学習➡全体学習➡独自学習になります。
この過程は、学習内容によって自由自在に変化させます。
③仮説をたてる
課題と学びのルートが分かれば、課題に対して仮説をたてます。
課題に対して、自分の考え(仮説)を明らかにします。
ノートに書いて、そのように考えた根拠(理由)もノートに書きます。
この仮説を立てることは、子どもたちの学びの原動力になります。
学びとは、自分のたてた仮説の検証だからです。
価値ある問題をつかむ。
問題解決の方法がわかる。
次回に続く