教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

教育随想 436回 中学年の学習指導  こだわって暴走させてもいいのでは

中学年の子どもたちは、一つにこだわるとその勉強ばかりを追いかけるところがあります。
その特性を利用した学習も入れます。


漢字1万字 百字ノート100ページ分です。
一年生からの漢字も含めます。
その学習状況をグラフ化して競争させます。


もう一つは、計算1000題です。
計算問題に通し番号を打たせて1000題をめざします。
努力のあとを目に見えるかたちにします。


漢字や計算が雑になる可能性があります。
目標に向かってやれる、できたという自信を持ちます。
子どもは、これだけ勉強に一生懸命になったことはないと感じます。
保護者の方は、「家に帰ったら漢字ばかりに夢中になっています。他の勉強をしなくてもいいのですか?」と質問を受けることがありました。
私は、保護者に「黙って応援してください。今の態度が他の勉強に影響するようになります」と伝えました。


この勉強は、短期間で決着がつきます。
漢字、計算の学習、ノートの取り方などを振り返らせます。
そして、これを機会に、各教科のノートには、ページごとに通し番号を打たせます。
一学期で、二学期で、一年間で、各教科のノートを何冊使うかを目標とさせます。
子どもたちは、学習において、目に見える量的なものに関心を持ちます。


ノートのページ数を増やすための工夫をするようになります。
できるだけ自分の感想を多く書くようになります。
算数では、図や表を多く入れるようになります。
まちがいを消さないで、別の空白に修正します。
家で調べてきたことをノートにまとめるようになります。


いかにしてノートを使うかが子どもたちの目標になります。
問題はいろいろとでてきますが、それは、薬を服用するときに出る副作用です。
先生は、実践を考えるとき、主な効能と副作用を意識することが大切です。
どのような実践も子どもが夢中になっているからといって、そのままにしていてはいけないです。
実践には、必ず副作用がでるものです。
その時に、実践の修正を試みます。


漢字や計算だけではありません。
子どもによっては、教科学習をきっかけにして、いろいろなことに興味関心を持ちます。
動植物の生態や名前、県名、国土の地勢、ことわざ、四字熟語、反対語、季節の言葉など、まだまだありますが、一つのことを追究できるようにします。
そのためには、その学習専用のノートを作らせます。
そのノート、時々、友だちに見てもらいます。
公開学習として友だちに伝えていきます。
朝の会や教科の授業の最初に時間をあげて発表させます。


学習内容を理解させることも必要ですが、それ以上に学習態度、姿勢を育てることのほうが大切です。
学びは広がりです。
授業内容を飛び越えていきます。
先生の指導の枠を乗り越えます。


実践とは、先生が頭の中で案を練ることではありません。
まずは、「やってみる」、行動ありきです。
うまくいかになかったら、やめたらいいだけです。
そこに、失敗はありません。
試みがあるだけです。
なぜなら、うまくいかにかったらその原因を考察できるからです。

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