教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

教育随想 435回 中学年の学習指導 宿題から予習・復習へ

中学年の子どもたちは、たいへん活動的です。
決められたルールを平気でこえていきます。(そこが魅力)
勉強においても、自分で興味あることに対しては、とことん夢中になることがあります。
若い先生や新卒の先生が中学年の担任になることが多いのは、子どもたちの特性と合っているように思います。
しかし、高学年を担任していると、中学年の学習が抜け落ちていることがあります。
特に、学び方については、あまり指導されていないことがあります。



問題解決力
各教科の学習の進め方がわかる
低学年までは、先生に導かれて、先生の指示のもとに学んできました。
中学年では、各教科の学習の進め方がわかるようにします。
もちろん、少しずつ、小出しにして習得させます。


たとえば、算数では、「めあてをみつけて、学びの見通しをもつことができる」ようにします。
自分で何をどこまで、どのようにして勉強するのか、その基本過程を指導します。
独りで考える➡みんなで考える(発見する)➡独りで考え直すなどのように、学習の進め方の核になるものを身につけさせます。


学校の学習と家庭の学習をつなげる
宿題と学校の学習に関連性を持たせます。
それが予習と復習の進めです。
予習➡学校の学習➡復習・予習➡学校の学習のサイクルを定着させます。


辞典、事典、参考書の利用方法を指導
そのためには、教室の学習環境として、教室に上記のような資料を整備します。
授業のなかで、できるかぎり活用の機会をつくります。
さらに、資料収集のために、学校図書館を活用させます。
子どもたちの興味関心にすぐに対応できるようにします。


思考力
どのように考えたらいいのか、その考え方がわかるようにします。
結果には原因があることに気づかせます。
これは科学的思考の基本です。
なぜ、そうなったのか。
なぜ、そのような行動をとったのか。
結果に対する原因を考えられるようにします。
さらに、これはこう考えてもいいだろうという判断力。
もしかして、こうかもしれないという推理力。


学習形態
家庭でひとり勉強ができる。
仲間と協力して学ぶことができる。
この二つのことを指導します。


子どもたちが宿題として家庭の勉強を与えられている間は、自宅で主体的に学習することはありません。
宿題がいけないというのではありません。
宿題を出すときに、子どもたちがその課題を家で学習する意味がわかっているかどうかです。
なぜ、自宅の学習になるのか。
家で学習してきたことを学校の勉強でどのように生かすのか、役立つのかという見通しを持たせることが大切です。
今、学校でしている課題とのつながりを意識させて家庭学習に取り組ませるようにします。


私の場合は、中学年のころから宿題という名前ではなく、予習・復習という名称を使って学習させました。
授業の最後の5分間を活用して、どのような復習をするか、さらに、明日の学習のために、どのような準備をしたらよいかを考えさせます。
もちろん、初めのうちは、先生が指示します。
そして、強制ではありません。
やってみようという子どもから始めたらいいのです。
そして、少しずつ、先生は子どもから離れていきます。

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