教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

教育随想 430回  低学年の学習指導(その1) 問題解決力と思考力

高学年から低学年の子どもを担任すると、いろいろな面で戸惑いがちになります。
子どもたちに指示するときの言葉が通じないことがあります。
センテンスが長いと子どもは混乱します。
指示の中に、2つ以上のことを入れると、どちらかが抜け落ちることがあります。


子どもと指導者の距離感がわからなくなることがあります。
高学年では、距離をとって指示して主体的に動けたことも、低学年では具体的に示さないと理解されないこともあります。


さらに、低学年の子どもの興味関心は、15分も持続しません。
いかに興味を持続させるかが学習指導のポイントになります。


問題解決力
知りたいこと、調べたいこと、やりたいことを学習の中心にもってきます。
さらに、子どもの好奇心を学習意欲の原動力にします。
そのためには、体を通した学びを取り入れます。


一時間の授業において、学習形態を多様化します。
友だちのノートや絵を参観。前に出てきて身体表現で自分の思いを表す。
基本的には、座席の位置で立ったり座ったり、あるいは、離れたりさせながら、じっとしている時間を短くします。
特に、一年生の指導には必要なことです。


先生は、言葉よりもやって見せることに重点を置きます。
問い方については、「なんだろう」「どうなるのだろう」「どうしてかな」を多用します。
このような問い方を継続することで、子どもたちの体の中に入れます。


「なぜ?」「なぜなぜ?」「なぜなぜなぜ?」と、わからなさの程度を簡単な言葉で表現させます。
理解においても「わかったよ」「わかったかなあ」「わかったような」という言葉を使うことで、理解の程度を表現させます。
もちろん、体を使って表現させるのもいいですね。
子どもが自分の気持をダイレクトに表現できる工夫をします。


思考力
自分の意見に対して、簡単な理由づけができるようにします。
その時に、理由がうまく言えなくてもかまいません。
「なんとなくそう思う」という選択肢をオーケーにします。


この時期の子どもたちの思考の仕方の中心は、比較する考え方です。
同じところはどこかな」「ちがう所はどこかな」と2つ以上のものを比べる場面を
多くつくります。
最初は、友だちと自分との共通点を見つけ出せるようにします。
相違点を見つけ出すのはあとのほうがいいです。
友だちとの共通点をみつけだすことで親近感と連帯感が生まれます。
違いを見つけるよりも共通点を見出すことのほうが難しいものです。
自分と違うことは目につきやすいですが、同じところは意外にむずかしいものです。

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