教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

教育随想 400回 話し合いの育て方(6) 自由発言の導入

前回の無統制の段階から次に話を進めます。
無統制の段階を少しずつ変えていきます。
「みんなはどうして話しているのかな」
「学習を進めるたり深めたりするためだね」
「みんなで勉強するために話し合いを入れているのだけど、話し合いになったかな」
子どもたちに、学習を深めるという意識をしっかりと持たせるようにします。
「今日の勉強は、どのようなことが深まったのか」と尋ねて、子どもたちに振り返らせます。


そこから、一時間ごとに少しずつ「みんなで学習するきまり」を考えさせます。
子どもたちが自分の考えを発表する方法をいくつかに分けます。
今までと同じように「挙手発言」「指名発言」に加えて「自由発言」を入れます。


「挙手発言」で発言するときは、先生の了解を必要とします。
「指名発言」は、先生が一人一人に指名します。
ここまでは、今までと同じです。
新しく「自由発言」を加えます。
これは、先生に指示されることなく、子どもたちで学習(話し合い)を進めます。
挙手と指名で子どもたちの発言を統制します。
反対に、自由発言で、子どもたちに学習を任せます。


自由に発言するねらいは、友だちと考えをつないで学習を深めることです。
お互いの考えをつないで学習を深めるという目標を持ちます。
そうです「つなぐ」がキーワードです。


そうなってくると、
発言が重なり合うことが問題になります。
そのためには、発言と発言との間合いが大切になります。
どうしても、友だちの発言のあと、すぐに続けようとします。
だから、最初は友だちが話したら間合いをとってから発言させます。
最初は、子ども同士が重なり合います。
もちろん、初めのうちは、先生が重なりを止めます。
やがて、譲り合うという意識が芽生えます。


「〇〇さんどうぞ」という言葉、話型を導入します。
譲り合うことで、お互いの発言を大切にします。
友だちの意見を聞く姿勢が少しずつ身に付きます。


友だちの考えにつなぐためには、「よく似ているけど」「少し違うけど」「今までと
は違う考えだけど」などの言葉で、お互いの意見の関係がわかるようにします。


授業の途中や終わりには、学習の進み具合、課題の深まり具合を振り返らせます。
話し合いは学習の深まりとつながっています
おしゃべり学習ではありません。


次回、さらに、具体的に進めます。

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