教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

教育随想 399回 教育随想 399回 話し合いの育て方(5) 自己主張のエネルギーを引き出す

以前、お話しましたことと重複する部分があります。
話し合いのエネルギーは、子どもたちそれぞれの自己主張のエネルギーです。
低学年の子どもたちを見ているとわかります。
口々に、自分の言いたいことを先生に向かって話そうとします。
他の友だちが言っていることなどお構いなしです。
あのエネルギーは、子どもたちの生きる力です。
「うるさいです」「静かにしなさい」と言ってしまいがちですね。
でも、子どもたちは自分の思いを発散したいのです。
聞くことよりも話すことに関心と意欲を持っています。



子どもたちが口々に話すときのメリットがあります。
学級の空気が明るくなることです。
雑談、笑い声、喚声、歓声もまじり、授業の効率は低下するように思われます。
しかし、それぞれの子どもたちは発散していますので心が軽くなってきます。
不思議なことに、子どもの能力に関係なく学習意欲が高まってくるのです。


挙手発言をやめて、自由に話し合いを始めさせると、無統制の時間がでてきます。
この時に、先生は耐えきれなくなります。
学習が意図したことと違って、横道にそれていきます。
どうしていいかわからなくなります。


だから、もとの講義形式の授業にもどしてしまいます。
実は、この時が分岐点なのです。
集団としての授業が確立するか否かの分岐点に立っているとも言えます。


ただ、実際の授業では、統制のとれた授業形式で始めます。
教材が子どもの興味を引き、盛り上がり始めた時に、自由に話し合わせます。
ですから、一時間、話し合いをしているわけではありません。
話し合いは、初期においては15分間程度です。
それ以上長くすると、子どもたちは話し合いに疲れてしまいます。


子どもたちの自己主張のエネルギーを引き出すことがねらいの段階です。
そして、そして、次の段階に入ります。
発表、話し合いの訓練、指導の段階です。
次回にお話します。

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