教育随想 378回 ワークシートだけで終わるの?
ある先生から伺った話です。4
学年で物語文の指導について、世話係から指示があったそうです。
教科書の物語文をコピーして、その用紙の下、5cmぐらいをあけるそうです。
その下の欄に子どもたちが一人で読んで思ったこと、考えたことを書かせるということです。
いわゆる、独り読み、書き込みという方法です。
ところが問題は、次の学習ステップです。
子どもたちが最後まで書き終わったら、全体で子どもたちに発表させて、自分の考えをまとめて終わらせる案でした。
子ども同士のか思いや考えを練り合うことはないようです。
同じ学年の先生は不審に思われました。
それでは、子どもたちの作品に対する考えが深まることはないのではと質問されました。
そうすると、その先生は、国語が苦手だから、今までも同じ学習方法をとってきたとのことでした。
その世話係の先生は、他の教科においても、ワークシートを使って済ませることが多いとのことでした。
国語の重要な文学作品をいとも簡単に扱う姿勢には、私は納得できません。
ワークシートは便利ですが、果たして、子どもたちに興味をもたせることができるのでしょうか。
ある先生は、説明文の指導のとき、最初からワークシートを使いました。
段落ごとに内容をまとめる作業をさせました。
子どもたちは「また、ワークシートか」と不満を漏らしたとのことでした。
説明文で、独りでワークシートにまとめることができるのであれば、無学校の学習指導(授業)はいらないです。
学校に来る意味さえないと思います。
ワークシートは子どもたちの考えを整理させるのに便利です。
しかし、指導者にとっては指導する努力が省かれることになります。
ノートを使って、子どもたちの思考を積み重ねることはありません。
私は、極力、ワークシートを避けてきました。
子どもたちの学びを一つの枠組みのなかにはめ込むことのないようにしました。
ノートを使って、子どもたちの考え方、感じ方を自由に書いたり広げたりできるようにしました。
実は、これも聞いた話ですが、コロナで休校になっていた時、子どもたちにワークシートの宿題をだしていたようです。
それはいいのですが、そのあと、学校が再開してから、その単元の学習の補いはしていないということです。
ワークシートに書かせたままで終わっているようです。
子どもが独り作業して終わりにしてしまっているようです。
私には、どうしても腑に落ちないことです。