教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

教育随想 349回  新しい学級は 前学級の思い出も持ち上がる

学校が再開されてから一か月もたっていません。(6月15日再開の学校)
まだ、4月の状態です。


先生は子どもと全くの他人です。(去年の持ち上がりは別ですが)
子どもにとっても先生はえたいの知れない他人です。
だから、子どもは先生の正体を探ります。


先生は自分の担当する子どもということで、少しばかり子どもが手に入ったような気になることがあります。
しかし、子どもは違います。
先生という肩書に従うしかないのが子どもです。
もちろん、子どもによっては、そんなことにお構いなしで、先生の指示に従わない逞しい子どもがいます。


勉強会に来られている先生は、子どもたちに指示するけど叱ることはないとのことです。子どもたちの様子がわかるまで、叱るという行為は、安全上の問題に関わることを除いて、控えたほうがいいです。


前の学年を分けて新たに一つの学級にした場合


その先生が、今、2つの学級を半分にしてひとつの学級(学年2学級)にしたとのことですが、それぞれの学級の差が大きいということでした。
片方は、話し合いに積極的ですが、一方は、発言することが少ないので、話し合い上手な学級の子どもたちだけで、話し合いをさせたとのことです。
一方の子どもたちの模範になればと思ってしたようです。


気もちはわかります。子どもたちに具体例を見せることは大切です。
しかし、今、縁があって、一つの学級を組織したのに、その中で前の学級のことを先生が持ち出して比較するのはよくありません。
その先生は、比較するつもりはなかったと思いますが、子どもたちには比較されたという気持ちが残るでしょう。


さて、2つ以上の異なった学級を新たに分けて組織しなおし、一つの学級をつくるときに大切なことがあります。


子どもたちは、係活動や朝の会などの学級組織をするときに、前の学級でしてことを提案することがあります。
よかったからそうするのでしょうが、一方の子どもたちは、自分たちがしていなかったことをしていたのだと少し気後れします。



この場合、先生が、「新しい学級ができたのだから、今までのことをそのまま持ち出すのではなく、今のみんながやってみたい内容にしたらどうですか」という提案もあります。


あるいは、「もう少し一緒に生活してみて、一か月後に朝の会や係活動について考えてみませんか。今の学級にふさわしいものを考えたらどうですか。」
と提案してみてもいいですね。


前学年に荒れていた学級の場合は、以前の記憶に楽しかったことが少ないので、当番活動のみを決めてスタートさせます。
子どもから朝の会はどうするのかと聞かれたら、「立って挨拶だけしましょう。簡単なほうがいいでしょう。」と伝えて実行します。
特に、終わりの会は簡単なほうが、子どもたちは早く下校できるので喜びます。


できるだけ前の学級のことを持ち出さないようにします。
そして、先生は、前の学級の生活習慣や学習の仕方を決して否定しないようにします。楽しかった先生や友達の思い出を否定することになります。


★コメントをいただいた件については、すべて返信しているのですが、届いていない
 というご指摘をいただきました。(届いているとばかり思っていたので)
 なぜかわからないのですが、私の操作ミスなのか、調べてみます。

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