教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

教育随想1098回 良さを見つける指導から 良さを育てる指導へと発想転換

どちらも子ども本人の潜在されている能力を具現化する目的は同じです。
しかし、「見つける」は消極的な方法で長期的な時間を費やします。
親しくない相手を外から観察します。
先入観をできるだけ押さえて観察します。
子どもと先生の間の人間関係が、まだしっくりしない一学期前半ぐらいに用いる方法です。


育てるは積極的に子どもに働きかける指導です。
短時間で子どもに身につけてやることが狙いです。
技法、技能的な向上が中心となります。


しかし、この方法は、子どもと先生との間に尊敬と信頼の関係ができた時のものです。
子どもがこの先生に自分を任せてもよしという信頼。
この先生に教えてもらえば自分がよくなっていくことがわかるときの尊敬。


尊敬と信頼が子どもたちとの間で深まることで、厳しい指導を行うことができます。
もちろん、厳しさの背景には子どもの成長をひたすら願うやさしさがあります。
子どもは先生に付いてきます。
あくまで、信頼関係が築かれている時の方法です。
子どもたちが自分の学びの心が育ってくると、子どもたちのほうから積極的に教えを乞うようになります。


子どもが先生に対して尊敬するのは、一つ一つの自分への指導の効果が現れていると子どもが実感していくときです。
その積み重ねが先生に心を寄せていきます。


ここで大切なことは、先生自身が指導者として、個々の子供の高まり、成長を具体的につかむことです。
その具体的な変化を子どもにも理解できるようにすることです。


育てるというのは、子どもに近づくことです。
近づいて子どもと共に学ぶことです。
子どもの悩みや疑問がわかるまで近づくことです。
育てるとは共育なのです。

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