教育随想 1096回 「たぬきの糸車」指導研究 第10回(最終回)
ねらい
○冬の間、糸を紡いでいたのは、いつかのたぬきであったとわかったおかみさんの驚きとたぬきを見守る優しさ、そして、自分の行為をわかってもらえた、たぬきの喜び、うれしさを読み取る。
2.指導にあたって
最後の挿絵に吹き出しを入れることで、帰っていくたぬきとそれを見守るおかみさんの気持ちを想像することができるようにする。
この場面は、子どもたちがどれくらい読めたかという評価であり、子どもたち一人一人の読み取りに個性があるとおもしろいところである。
3.指導の展開
この場面でのキーワードは
「そっとのぞくと」「ふいに」「びょこんと」
「うれしくてたまらない」「びょんぴょこ」
「そっとのぞくと」音をたてないということ こわごわ
○おかみさんが「そっと」のぞいて見たものは。
いつかのたぬき・・どうしてわかったのか
じょうずな手つき
糸をつむいでいる
ゆさぶり
「たぬきは、みつからないかと心配しなが糸車をまわしてたいたのかな。」
「とがあいたとき、人間がきたのがわからなかったのか」
最後の絵を見て、おかみさんとたぬきのつぶやき(気持ち)を書き込もう。
「ふいに」この場面では重要な言葉である。
「ふいに…気がつきました」
たぬきがつむぐのにけ夢中だったことがわかる。
家の中に入ってきおかみさんに気付かないくらい。
[ふいに」は、まさかおかみさんがもどってくるとはおもわなかったたぬき。
「ぴょこんと」
とっさに逃げた様子ではなく、落ち着いて糸車からはなれているたぬき。
「うれしくてたまらない」
どんなことがうれしいのか、糸車をつづけられなくなったではないか。
「ぴょんぴょこ」「おどりながら」のたぬきの様子。
おかみさんの心に映ったものは
問:たぬきは、どんなことをつぶやきながら、かえっているのでしょうか
問:たぬきを見送っているおかみさんの気持ちをつぶやいてみよう。
さて、この言葉を順次指導してはだめです。
これらの言葉が必然的に引っかかる言葉になるような主要発問が大切です。
発問
「たぬきはおかみさんに見つかって、ぴょんぴょこ、おどりながらかえっていきました」
みつかったのにおどりながら・・・
どうしてなのでしょうか。
このあとで、前にあげた言葉をこどもの前にだします。
たた゜し、子どもたちの思いが先です。
子どもたちの発言のなかに、すでに、前の言葉に引っかかっている子がいます。
出ないときに、深めるときに、言葉は提示します。
子どもの思考の流れを切らないようにします。
以上で「たぬきの糸車」の指導を終了します。
私のつたない拙い実践でした。