教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

教育随想1092回 1年国語「たぬきの糸車」指導 第7回

ねらい
1段落だけを扱う
 ○月のきれいなばん、糸を紡ぐ音が聞こえてくる山奥の一軒家の周りの様子を想像する。
 ○いたずらするたぬきの様子ときこり夫婦の思いを想像する。
 ○一人読みの仕方を理解する。


指導展開
指導1
一軒家のある山奥の様子を読みとろう。
 〇1段落だけを音読する。
  全体で読む➡一人で読む(三回読む)➡本を見ないで読む
  ※言葉から子どもを離すことが大切である。
   読みづらい子は、時々読んでもよい。


指導2
○山奥の様子を想像する。
①ノートに「むかし、ある山おくに・・・すんでいました。」を書く。
◇発表したことを黒板に書き込む。
問:どの言葉から、どんなことを想像しますか。
ある山おくに・・どんなところか
きこり・・・なんのことか
きこりふうふ・・・二人だけか
まいばんのように
いたずら
そこで・・・わなしかけのした


あたりのようすはどうかな
・しずかだ
・動物がでる
・たずねてくる人はいない
・こわい


問:「きこり」の言葉の説明
山のなかにはいって、木をきって、はこびだすしごとをする人。
 そのために、山ごやをつくって生活していた。


問:きこりふうふは、ほかにどんな仕事をしているのか。
・畑でいもや野菜をつくる
・かいこのまゆ
・できた野菜の加工(干す・漬物)


○「山おくの一けんや・・・いたずらをしました。」の部分からわかることを発表する。


「山おくの一けんや」
夫婦のふたりだけ
こわくないのかな
「まいばん」「いたずら」
どんないたずらをしたのかな
まいばんくるのか、いたずらが好きなのかな


問:たぬきはどんないたずらをしたのかな。
・ペアで考える。
・発表する。
・自分のノートにかきこむ。
○「そこで、きこりはわなをしかけました。」
・ノートに書く。
・どんな疑問がわいたか。


問:「どうして、罠をしかけるのかな。」
・たぬきや動物たちがやってきて
 いたずらをするから。
「いたずらぐらいかわいいものですね。そんなことぐらいで罠をしかけなくてもいいではないですか。」 


・人間が困るいたずらを三つ、ペアであげてみる。
・発表する。


説:そうだね。罠は、森の動物たちを寄せ付けないためのものだね。動物からみると、山奥の一軒やに近づくと、捕まるかもしれないということだね。いたずらできる場所だが危険な場所でもあるんだね。


(3)「ある月のきれいなばん」
◇言葉をノートに書いて自分で書き込んでみる。
 どんなけしきか 森ようすは
 一けんやは
・発表する。



問:月がなかったらどんな景色かな。
・何も見えない。真っ暗・やみ
・ぶきみ 恐ろしい


問:何が見えるかな。
・月光がきれい
・まわりが明るい
・木がよく見える
・一軒やもよく見える
・木のかげがうつっている
・動物の姿も見える

問:耳をすましてごらん、どんな音が聞こえるかな。
・ペアで5つあげてみる。


問:いろいろな音が静かに聞こえてくる中で、糸車の音も聞こえてくるんだね。どんなふうに聞こえてくるのだろうか。
・ノートにその音を書く。
・何の音かな
・音を声にだしてみる。
・ペアの人に聞いてもらう
・みんなに発表する。
※聞こえ方の違い、感覚の違いに注目する。


問:たぬきは、その糸車の音を聞いて、どんなことを思ったのだろうか。
・たぬきの視点にたって想像する。
・ノートに書く。
・ペアで自分の考えを話す。
・発表する。


※挿絵に書かれているものは、月がないとほとんどみえないということ。
※「ある月のきれいなばん」という言葉を真ん中に書いておくと広げやすい。
※当然 糸車の音も入る。
※ここまでは、物語の場面設定である。ここからが、物語のーに深く入り込んでいくことになる。そのためには、子どもたちがたぬきに同化することが必要になる。そのための最初である。


指導の順序は、目の前の子供たちの関心に基づいて入れ替えます。
この順序自由にかえてみるのがいいですね。
指導を固定化しないようにします。
子どもたちが乗ってくることが大切です。

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