教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

教育随想1091回 1年国語「たぬきの糸車」指導 第6回

○題名や挿絵からお話の内容を想像することができる。


子どもは、この作品で最初に目を通すのは挿絵である。
映像から作品に入るであろう。
指導も挿絵から入る。


指導1
本文を読んでから挿絵に入るのではなく、黒板に貼られた6枚の
 挿絵から物語のあらすじを想像する。

   一枚ずつ子どもたちのつぶやきを聞く。
   そのつぶやきの中から、子どもたちがどこに関心をもっているか
   を探る。
「へえ、そうなんだ」「おもしろいことを見つけたね」「すごいねえ」
という助言によって子どもたちが自分の関心自由をに出せるよう
にする。決して「それはおかしいよ」という否定的な発言はしない。



指導2
質問
この物語にでてくるのは何人ですか。
ア 4人 イ 3人  ウ 2人
・正しいと思うものに手をあげる。

・登場人物をあげる。(板書)
子どもによっては、きつねもうさぎも見えないけど家の周りに
近づいているという考えもでてくる。
さらに、きこりふうふがだれなのかを確認する。
➡おかみさんときこりふうふが別人になっていることがある。


指導3 題名にこだわる
○「たぬきの糸車」という題名から想像することを発表する。


問:どうして「おかみさんの糸車」ではないのか。二つの題名を比べる。
 「・・・の」は所有を表す言葉である

それならば「おかみさんの糸車」ではないかと問いかける。
※この問いかけによって子どもたちは考える。
 迷うのである。
どの場面からたぬきの糸車になったのかを考える。
(あくまで導入として)
※この問題は主題に関係することであり最後に再度考えることになる。
 「たちぬきと糸車」「たぬきの糸車」と対比させることがあってもよし。


指導4 全体で音読する。
ヘアになって音読する。
(ペアによって読む速さが違うのをよしとする)


○ペアで声をそろえて最後まで音読の練習をする。


※ほとんどできるのだが、きこり夫婦とおかみさんを別の人物として考えている場合がある。
※正解に導く必要はない。子どもたちがたぬきと糸車の関係をどのように把握しているかを調べるためのもの。


指導5 一番おもしろい場面を選び、簡単に理由を加える。


1から14段落に区切って、一番おもしろいと思う段落を見つける。
挙手で聞いて、子どもたちのおもしろさ傾向をみつける。
 ※これがさらに指導の展開を修正することになる。


「6つの場面のうち、あなたが、一番心に残った(おもしろい、不思議だな)場面をあげるとしたら何場面ですか。その理由も考えましょう。」
・何場面かを意思表示する。挙手
・ノートにその理由を書く。
・発表する。


○次に、あなたが二番目に心に残ったこととしたら何場面ですか
その理由も考えましょう。
 ・何場面かを意思表示する。挙手
 ・ノートにその理由を書く。
 あらすじと感想を明確にすることがねらいである。
ただし、一年生の場合は、指導を徹底させないこと。
子ども一人ひとりの学びの振れ幅を大切にします。

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