教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

教育随想 1056回  ネット検索「すぐにわかる」ことが問題

今は情報過多ですね。
どんなことでもネット検索すればわかるようになっています。


学習の場においても、子供たちは「調べる」と称してネット検索します。
これが問題なのです。
答えが「すぐにわかる」ことが問題なのですね。
子供たちは、ネット検索するときに「調べてみます」と言います。


ところが「しらべる」前の前提がありません。
一つは明確な課題、問題です。
子供たちは、なんとなく大まかなことを調べようとします。
問題意識をしぼっていません。
だから、ネット検索しても、どれを取り上げたらよいかわかりません。
何がわからない、わかるためにどんなことを調べたらいいかということがあいまいになっています。


さらに、問題は、問題があっても、それに対する予想がありません。
予想がないから、自分の考えをもっていません。。
問題に対して仮説をたてていません。


調べるは、予想や仮説を立証するためのものです。
この仮説においては、考えるほど調べるテーマがはっきりしてきます。


子供たちが家でしらべましたといって、プリントしたものを学校にもってくることがあります。
これは、子供が自分の課題を深く追究していない結果です。
プリントした文面、内容のどの部分が自分が得たい答えなのか、あいまいになっているのです。


学習の場合、安易にネット検索をしないようにします。
子供たちが考えない子になるからです。


問題を自ら立ち上げる
その問題を通して、迷うことから始める。
迷って迷いぬく、その時間が長いほうがいい。
そして、調べる。
でも、はっきりした答えが見つからない。
さらに、挑戦して考える。
でも、課題の答えを導き出すことに失敗する。



迷い➡挑戦➡失敗➡繰り返し
この過程を授業のなかに組み込む。
それが、子供を授業で鍛えることのひとつである。


すぐにわかる授業は、子供を軟弱にします。
すぐにわからない過程を仕組んでいる授業は、子供たちを鍛えます。

×

非ログインユーザーとして返信する