教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

教育随想 1023回 直線的、平面的、立体的な授業

常々、授業は立体的だと言ってきました。
直線的な授業(教科の論理のみで進める)
平面的な授業(教える側と教えられる側の二元的)


立体的とは、それらの上に、子ども一人ひとりの特性、心理、体調を考慮します。


直線的な授業・・・一次元的な授業
多くの授業は、指導者の一方的な教材研究、指導手順によって結論まで導きます。
「わかったかな」「わかるでしょ」「説明よく聞いてね、二度と言わないよ」と子どもたちに多少の圧力をかけなから進めます。


指導者は、自分の思う結論に導きたいという思いが強いです。
参観していると学習は単調に進んでいます。
子どもたちのつまずきは先生の説明補足でカバーされます。
終了後の子どもたちの表情に充足感はありません。


平面的な授業・・・二次元的な授業
教える側の論理に加えて、教えられる側の論理を付け加えています。
教えたい教材内容を子どもたちがどのように学んでくるかということがポイントです。
教材のどこに関心をもって入ってくるか。
指導者は、教科の論理を押し付けるのではなく、子どもたちの学び方を優先させます。
子どもたちの学びを研究することが中心になります。
その学びの上に、教科内容、指導方法を考えます。


立体的な授業・・・三次元的な授業
一次元は教科の論理でした。
二次元は、教える側と教えられる側の二つな立場で授業を構成します。


三次元的な授業とは、X,Yの軸に加えて、Zの軸です。
Zの軸とは、個々の子どもたちの個性、心理、体調です。
学ぶ側の実態を詳しく研究します。
毎日、同じ子どもたちと授業しているのですから、それぞれの子どもたちの実態、特性を把握できます。
そのことを配慮して、授業の進め方を考えます。
もちろん、すべてそうすることはできません。


しかし、指導計画が一応出来上がったときに
 A君はこの場面、違ったことを考えてくるだろう。
 B君は、苦手な算数、ここで気持ちが離れる可能性があるだろう。
 C君は、この場面は簡単にわかって退屈するだろう。
このように具体的な子どもを描きます
そのうえで、指導の流れのなかで、彼らと意識的にコンタクトします。


意識的とは、指名して発言させるとか、個別指導の時に配慮するとかして、授業に参加できるようにします。
できる子どもたちに対しては、分かっているはずのことをひっくり返して問いかけます。
学習内容を多角的に見れるようにします。


環境条件も関係します。
雨天、快晴、湿度の高い時、休み明けの月曜日など、子どもたちの体調変化があることを前提として指導案を修正します。


子どもたちの真剣さ、驚き、疑問、こだわりがあふれる授業です。
子どもは、本当に知らないことに感動します。
子どもたちは、心底理解したときは表情が明るくなります。

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