教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

教育随想 1019回  土いじり感覚を 教育の場で

土を耕して、肥料を入れて整地します。
やがて、ここに新しい種を播き、苗を移植することを心に描きます。
空気を含ませ栄養を入れて、育てる環境をつくります。
半分以上は、この土づくりです。
教室も先生も土なのです


種まきです。
こんなに小さな種ですが、しっかりと発芽するようにと祈ります。
でも、本当に顔を(発芽)だしてくれるか不安です。
期待と不安をもって子どもたちを新しい学級に迎え入れます。
粒一粒「大きくなってね」と願いを込めて植えつけます。
それが子どもたちとの出会いです。


芽がでるまでの不安、毎日、毎日土の表面を観察します。
水をかけの残しのところがないように満遍なくやります。
子どもたちへの愛情も偏りかないかを気にかけます。
雑草を抜きます。石ころがあれば取り去ります。
発芽に障害になるものを取り除きます。
子どもたちの成長に好ましい環境をつくります。


もう芽が出たかなと毎日、花壇や畑を覗き込みます。
「まだまだ早い」「もう、でてきてもいいように思うが」
焦りを押さえながら発芽することを期待します。
子どもへの指導(種まき)の効果がでてきたかどうか気になります。


「芽がでた」「ちらほら顔を出した」
この瞬間は、うれしいです。
自分のことのように感激します。
昨日までの不安が払拭されます。
小さな芽がきらきら光っています。
子どもたちの能力が芽ばえた時の喜びに似ています。


だんだん絨毯を敷き詰めたように見えてくる苗。
ところが地肌の見えているところがあります。
あそこは、まいていなかったのだろうか。
水が足りなかったのだろうか不安になります。
子どもへの配慮が足りなかったのか。
子どもへの指導に問題があったのか。


発芽の様子、成長は、育てた人間の世話の仕方の問題点も一緒に顔をだします。
同じ時期にまいた種(指導)の効果も子どもによって違ってきます。
時間的な問題であれば、じっくりと待ってやればいいです。
能力的、素質的な問題であれば、世話の仕方(指導方法)を検討します。


2学期は、茎をのばし葉を茂らせる子どもたち。
3学期に向けて、それぞれの子どもたちが花を咲かせ、やがて結実する日を楽しみにします。


昨日、種をまいたキンセンカ100本の種が発芽しました。
また、育てることが楽しみです。
庭の草花は退職してからも、学級、子どもを育てる感覚で接しています。

×

非ログインユーザーとして返信する