教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

教育随想100回 宿題は家庭で一人だけでできることが条件


相談内容
・漢字、計算など基本的宿題を全員にさせる手立ては何かあるのでしょうか?忘れている場合は別にして、たびたびしてこない子に何かいい手立てはないでしょうか?


 宿題をどのようにとらえているのでしょうか。
 授業の補習としての宿題なのか(その時間内で終えられなかったから)
 だとしたら、終えられなかった責任は先生にあります。
 その埋め合わせを子どもにさせるのはどうなのでしょうか。


私と勉強している先生が、「授業で残ってしまったので宿題にだしました」といわれることがあります。残り物の勉強ですね。
宿題に意味をみいだしていない、目的のない宿題です。


 残り物の宿題と補習としての宿題は違います。
 補習は、ある学力を補うという目的をもった宿題です。
 計算の仕方は一応わかったと思うが、もう少し問題の数をこなしたほうが定着するだろうということで提出します。
 そのためには、全員に計算の仕方を理解させなければなりません。


宿題、家庭学習として実施する場合、持ち帰った勉強が一人でこなせることが前提条件ですね。私の子どもが小学生のときに、宿題を持ち帰ったとき、「どうしたらいいかわからんわ」と、すでに宿題をする意欲は失われていました。さらに、授業の進度の遅れを宿題でカバーしていることがありました。



宿題を子どもにとってより近いものにするための取り組み


①宿題を一律に与えない。
たとえば、計算ドリルのなかから宿題を与えるとします。
まず、子どもたちに、家に帰ってどこまでならできるか、その問題に印をつけさせます。最大は、1ページです。しかし、苦手な子どもは、1ページ、20題の計算問題をすることは難しいです。
子どもと相談して、奇数番号だけの問題、あるいは、5題だけにするとか、計算問題の量を決定させます。


②授業の中での宿題コ-ナ-の設定
 宿題は、学校でできるようにして家に持ち帰らせるようにします。
 授業の中に5分程度、「宿題コーナー」の時間をとります。これは、班の中で教えあって独りになってもできるようにしておきます。
 苦手な子どもは、自分でできるという見通しをもつとやる気がでてきます。


③子どもたちと相談する宿題 班で考える宿題など
 宿題を子どもたちに考えさせる、班で考えさせるようにするのも
 おもしろいです。復習としての宿題だけでなく、予習としての宿題を
 考えさせます。


基本にあるのは、授業が楽しい、学びがおもしろいというように導かなければならないのは当たり前のことです。
しかし、これが一番むずかしいことですね。


だから、子どもたちに宿題を選択させる場面をつくります。
進学塾に通っている子どもは、学校の宿題が煩わしくなるようです。
子ども一人ひとりによって、学習意欲は異なります。
高学年であれば、宿題から予習・復習という形に移行することも考えられます。
中学校の学習と直結させるようにします。

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